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2009/06/13 (Sat) 繰り返す航海

それでも、過去の俺に…御話に、すがる俺がいる。
心のふるさとなのか、よりどころなのか、今も。

エピローグの後の世界は、確かに、以前とは違っていた。
この場所も、俺自身も、違っていた。
けれど、この場所は当時のままで、残っていた。

ときどき帰っては切なくなる俺は、どこへ行こうとしてるんだろう。
何をすれば、満たされるんだろう。


きっともう、俺の中に御話は、ないのに。

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2009/04/29 (Wed) 閉塞

いい学校を出て、いい会社に入って、恋愛して、結婚して、気付いたら手足が重くなっていた。
俺は違う。そんなわけがない。そう思いながら、満員電車の中、はっとした。

そうか。人生、こうやって、抱えていくのか。

そのとき、周囲の疲れきったスーツたちも同様に、たくさんのものを抱えて、身動きが取れなくなっているのだ、と気付く。かつて御話を描き、夢と目標と人生が同じラインにあった俺は、そうか、もう10年も前の話なのか、と気付いてさらに愕然とする。

ここで、10年も御話を続けていれば、何か違っただろうか、などと思う。かつて俺がたどり着いた「エピローグ」…それは俺のお話の集大成だった。はずだった。
けれど、それ以上に人生は続いていく。当時の俺が想像もしなかった、生々しく痛々しい人生が。

この閉塞感と重荷に、俺は耐えられるだろうか。あと30年、どうやって生きればいい?
何をすれば、何を目指せば、また夢と目標と人生が繋がる?

転職か。海外へ出るか。とりあえず休みをとってゆっくり考えるか…そう思うこと自体が、現状を何も打破できないことなのだ、と片隅に思う。そう、俺は、弱い。昔から弱かったけれど、御話という自身のよりどころをなくして、さらに弱くなっていた。

――必要なのは、覚悟だ。
この先、俺の空想ではなく、俺の人生を、綴り続ける覚悟を持たなければいけないのだ。
それが、かつての俺に対するどんな行為なのかは、まだ分からないけれど。

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2008/04/21 (Mon) 後悔

書くんじゃ、なかった。

ぼくは過去に自身が書いた御話(おはなし)に後悔した。せめてそれを自分の内側にだけ持っておけたら、ぼくの世界は違っただろう。しかし、公開してしまったのだ。

もう遅いのだ。

ぼくが、エピローグを書いてから、世界はまるっきり変わってしまったのだ。


「もう、書くことがない」
そう言ってワープロソフトを立ち上げることもなくなってしまってからというもの、ぼくの中には本当に何もなくなってしまっていた。
ほんとはそうじゃない、まだぼくの御話は…人生という物語は続いている。そう信じたかった。実際、続いてはいる。けれど、それは続きではなかった。

エピローグを書き終えて、人生の瞬間を微分する神の集中力で永遠を手に入れたぼくは、実は、すべてを失っていたのだ。

何も欲しくない。何も感じない。何も楽しくない。
人生のピークを迎えてしまってから、ぼくには、何もなくなったのだ。

だけど。
だけど、と、いつも思う。
「だけど、続いている」声に出してみる。ぼくの声だ。ぼくはまだ続いている。生きている。
何が終わって、何が終わっていないのか…ぼくはそれを、勘違いしているんだと思う。

エピローグは書いたけれど、僕はまだ終わっていない。
ひとつの命が終わり、もうひとつの命が始まる。そういう理解でいいんじゃないかな?

あの日のぼくは、確かにもう、どこにもいない。
けれど、その続きのぼくがいる。
眠っていたのか? どっかに行ってたのか?

エピローグの続き、じゃなくて、新しい物語。新しい御話。
ぼくには、書けると思う。思うから、ぼくはいるのだ。いま、ここに。

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2007/01/20 (Sat) 夜回り探偵~SUICIDE

「どうして自殺しちゃいけないんですか!」


中高生はいつも私のもとに相談に来る。
私はこう答える。
いつも、いつも、いつも。
答えるうちに、だんだん内容が短くなっていって、ついに結論だけになってしまった。
電話で唐突に聞かれたとしても、即答できるようになってしまった。




「自殺した人は、生まれ変わっても、まったく同じ人生が始まるからよ」




生まれ変わることも、楽になることも、できないのだ。

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2007/01/16 (Tue) 鳥かご

2年飼ったインコちゃんを、放してあげようと思った。

足の悪い私と同じで、いつも空を見て、チクチク鳴いていた私の友達。
「あなたは自由よ」

窓を開け、鳥かごの柵を取り去る。インコちゃんはチクチク言いながら窓際まで来るが、そこで鳴いているだけだ。
30分待っても、そこにいるだけだ。

「どうして? ほら、飛んで」
無理やりに手に掴み、インコちゃんを外に投げ捨てた。
不恰好ながらも飛ぶことを覚えていたようで、力強く羽ばたいた。

「やっと自由になれたね。私はいいから。今まで遊んでもらってありがとうね」
…って言う前に、インコちゃんは真っ直ぐに鳥かごに戻ってしまった。

窓が空いていて柵もないのに、自由になろうとは、しなかった。
そのくせ、やけに私を見る。
チクチク鳴かずに、私を見る。


「おまえもそうなんだろ? 飛べるのに、飛ばないんだろう?」
インコちゃんがそう言った気がした。

違うの。私は歩けないの。足が悪くて、ここから外に出たことがないの。
外の世界は怖いから、治りたいとも思わない。ここにずっといて、楽しく暮らせればいいって思ってるだけなの。


私は。歩けないの。



「飛ぶのは、本当は怖いよ」
インコちゃんはそう言って、私の手をくちばしで突っついた。
「僕は飛ばないよ。きみがいるから」

インコちゃんが喋っている。夢か現実かは分からないけれど。
「違うの。私が、あなたに飛んでほしいの。自由になってほしいの」

「僕は飛ばないよ。きみとここにいてあげるから」


私は。歩けないの。
歩けないの。

あなたは自由だけど、私は。自由じゃ。ないの。


「ホントニ?」
インコちゃんはそう言って、今までに見たことのない力強い羽ばたきで、真っ直ぐに飛んでいった。
もう、戻っては来ない。私には分かっていた。

私は歩けないの。外の世界にも行きたくないの。自由じゃないの。あなたみたいに、普通じゃないの。

「…ホントニ?」

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