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2001/07/31 (Tue) text night♪

派手なテーマソングに重過ぎるイメージやめて
今日からは身軽に行こう 始まっちまってるぜ テキストナイト
ここからは気軽に無礼講 終わっちまってるぜ お前のサイト
その心 尻軽にbreak off 決まっちまってるぜ アンチのhate

フォントウォントシュールなニュース 寝るに寝れないネタ練って
誰がため溜息 タメ 駄目 夢ゆえ上へ
そうチェケラチェケラ ゴー!

至高の祝儀アクセス !思考の球技テキスト !
机上の正義 ジャッジ !軌条の 定規スタイル !

新世紀の 下町文化 どでかい花火 空を焦がす
始まりも終わりも 目指すものさえ それぞれに違うけれど
ずっとずっと書き続けるよ 今日のこの日の出来事を
いつか振り返ったときに また思い出すよ この高鳴り
だけど今は何も考えず 今夜もクールに テキストナイト!

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2001/07/30 (Mon) 少年プラモデル

 少年はプラモデルが大好きで。
 両親や祖父と一緒に出かけるときは、何だかんだとゴネてはプラモデルを買ってもらう。そして、帰るなり嬉しそうに箱を開け、ハサミを使って綺麗にパーツを切り離し、説明書を見ながら丁寧に部品を組み立てていく。
 だけど、もう少しで完成というところで、少年はいつも手を止める。バラバラに完成したパーツ同士を組み合わせることで完璧な作品が出来ること、そのことよりも、完成した後に来る、これ以上作ることを楽しめないという、ちょっとした絶望が怖かった。だからいつも、少年の作るプラモデルは未完成で、少年は両親に怒られていた。
 …あなたが欲しいって言ったから買ったのに、どうして最後まで作らないの!?
 両親は、プラモデルを作り上げることを、まるでペットを死ぬまで飼い続けることか何かと勘違いしているようだった。そんなある日、祖父が他界した。デパートに連れて行ってくれる約束は果たせぬままに。その数日前、少年が注文したロボットとは違うロボットのプラモデルを買ってきてくれていた。少年はこんなものはいらないと言って、箱を開けようともしなかった。
 堅苦しい葬式の間も、少年はずっと考えた。祖父のこと、両親のこと、自分のこと、プラモデルのこと。そして、少年は帰ってすぐに、祖父に最後に買ってもらったプラモデルを作り上げた。
 少年が中学生になったとき、プラモデルを全て捨てた。ただ1つ、机の上で両脚でしっかりと立つロボットを除いて。

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2001/07/28 (Sat) あるTSOの人生~3

 これは1年前のことです。当時私は、ある小さなサイトを持っていました。そのとき、夏の夜を過ごすにちょうどいいような、少し恐ろしい体験をしたのです…

 以前、リンクしましたという嬉しいメールを頂いた常連TSOの方から、メールが届きました。その人は、掲示板には恥ずかしくてコメント出来ないけれど、と言って、ときどき「面白かったです頑張ってくださいメール」を送ってくれていたんです。そのときの内容は、こういうものでした。
『どうして僕にメールくれないんですか?僕はこんなにメールしてるのに。体調悪いんですか?返事下さい。僕達メールトモでしょう?』
 メールトモ。メルトモのことでしょうか。いや、今までも、来たメールには誠心誠意を込めて全て返してはいましたが、こんなプライベートな内容を匂わせるメールはTSOがやりとりするものではないのでは、と思いました。っていうか私達はメルトモなの?
 とりあえず誤魔化しのような答えでメールを返しておきました。しかし次の日、その彼からまたメールが来たのです。
『どうしてそんな他人行儀なこと言うんですか!僕らの仲じゃないですか。毎日何度も読んでますし、あなたの文癖も知ってます。その中に隠されたメッセージも僕にはわかるんです。ねえ、あれtって僕にあてたものなnでしょ?』
 うわあ。この人、既に“痛い”を通り越して“壊れてる”よ。アハハー…と、このときは軽く流してしまいましたが、これがいけなかったのかもしれません。このメールに返信しなかったこと、それから私の恐怖は始まったのです。そして次の日も、メールは来ました。
『どうして僕に返事くれないんでsか?僕のこと嫌いですか?僕らは本当はもっと深いところで通じ合った、いわbあ同志じゃないですか。あなたの文章にに見え隠れするものはずtっと僕らが探してたものじゃないですか。独り占めですkあ。ちゃんと返事くださしよ。掲示板荒らしますよ。ニチャンに書きますよ。僕に、ぼくには出来るるんですからね!』
 さすがに私は怖くなってきたので、それから2日間、サイトの更新をやめました。でも彼からのメールは毎日届きます。しかも、何通も。それも、添付ファイル付きで。
『ねえ、僕らが探してtた花をみつけたんだ。君にも見せたいよ。』
 何も生えていない植木鉢の写真が添付されていました。

 私はノイローゼになって、サイトを閉鎖しました。運悪くプロバイダのメールアドレスを載せていたため(彼が使っているのもこれでした)、捨てアドにすれば…などという思いが介入する余地もなく、彼は毎日植木鉢の様子をメールしてきました。パソコン初心者だった私は、友人との連絡にもこのアドレスを使っていたため、メール確認をせずにはいられなかったんです。ですから、彼からのメールも受信せざるを得ない状況でした。最も、見なければいいだけだったんですけど、怖いもの見たさ…というやつでしょうか。私は恐る恐る、毎日のメールを確認していました。
 そして、約3週間後。
『花が咲いたよ。今日を記念日にしよう。君の家まで届けに行くよ。』

 それ以来メールは来なくなりました。しかし私は今でも怖いんです。今はプロバイダもハンドルネームもメールアドレスも変えてサイトを運営しているけど、もし彼からメールが来たらと思うと、吐き気がするんです。そう、あの日…最後の添付ファイルの画像が、未だに忘れられないんです。
 毎日、植木鉢から少しずつ伸びている赤い糸。最後の画像を見るまでは、ただの嫌がらせだと思っていました。しかし、最後の画像だけは違ったのです。
 アサガオとバラとチューリップを無造作に繋ぎ合わせたヘンテコな花。その中心は、茎ではなくて、人の…指なんです。赤い糸をぐるぐる巻きにした、恐らくは、小指。そこから生えているようにくっつけられた花たち。そのおぞましい写真は…思い出すだけで…

 彼が言う『記念日』からもうすぐ1年になろうとしています。あれ以来、私はアサガオとバラとチューリップを見ると気持ち悪くなります。彼が一体何者で何を望んでいたのかは、今もわかりません。しかし、インターネットという世界は、私が想像するよりも遥かに恐ろしいものなのかもしれません。

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2001/07/26 (Thu) ブログ者

「ねえ」
「ん?」
「テキストサイトって知ってる?」
 僕は息が詰まりそうになった。そして、全身の毛穴から汗が吹き出るような感覚の中、自分を落ち着かせた。
「ああ、知ってるけど」
 知ってるもなにも、僕も一応はTSOなのだ。身内バレほど悲しいものはない。
「そっかー。アタシも最近知ったんだけどね。なんだっけ。サムライ?とか、面白いよね」
なんだ、その程度か…と、僕は安心してコップの麦茶を飲み干す。
「でもさ。アタシもいくつかホームページ見てまわってさ、ちょっと君のこと思い出したんだ」
「何で?」
 目の前にいるのは幼馴染み。彼女ではなく、友達。互いに大人になっていく中で、心にあるものを言ってはいけないような雰囲気がずっと続いていた。だから今日も僕の部屋で麦茶とかを飲みながら雑誌を読んでいる。深夜になるとまた振った振られたという話になるのだろう。
「覚えてるかな。小学校2年のとき。帰りの会で、先生から『じゆうちょう』を渡されて」
「ん…?どうだったかな」
「みんな最初の1ページから綺麗に使って、でも落書きみたいなのばっかり書いてたんだけど、君は違ったんだ。なんか覚えてるんだけどね」
「忘れたよ。そんな昔のこと」
「次の日、40ページ全部を使って物語を書いてきたよね」
「そうだっけ」
「そうだよ。どんな話か忘れたけど、友達を登場人物にした、変な話だった」
「やめろよ。そんなダルい話…」
「でね。テキストサイト。趣味でしかないとしても、本が大好きな君だから、もしかしたら知ってるかなーって思って」
 僕はフフッと鼻で笑って、本棚に無造作に積んである小説の山に目をやった。
「だけど現実は趣味だけで生きてはいけないんだ。分かってるだろ」
「うん。だから二人とも社会人になってもこうして…この部屋で扇風機に当たってるんだよね」
その言葉には色んな意味が含まれてそうだったけど、僕には分からなかった。
 そしてしばらくして、テレビを見ていた彼女がいきなりこっちを見た。
「思い出したよ。そのお話のタイトル。一番最後のページに書かれてた」
「え、俺がガキの頃書いたってやつが?」
「そう。たしか…」
 そこから先は僕が言った。
「ジャム、だろ」
「えっ、あっ、うん。覚えてたんだ」
 そんなところに僕の原点があったのだろうか。
「何でジャムなの?ハチミツとかでもよかったんじゃん?」
 僕はまたフフッと鼻で笑って、本棚に無造作に積んである小説に目をやった。
(ホントは理由なんてねぇよ…)

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2001/07/25 (Wed) 無意味な日々

 なぜテキストサイトは一概にダメだと言われるのか。それは、現代日本のミュージックシーンにも似て、同じような歌を同じように唄う人が増えた、と同時に、ラップだ何だと流行りの曲に歌い手が集まりすぎたから。「だよねー」で通じ合った時代の再来。だから昔から流行に流されずに演歌やロックや、あるいは弾き語りを続けている人は生き残る。つまりポリシーがない奴は生き残れない。
 そして、曲を出すレーベルの責任でもある。クソみたいな人が簡単に曲を出すことが出来るという状況が、どんどん平均値を下げている。本来はここに歯止めをつけるべきだ。つまり、サイトを開設するに(あるいはリドミなどに登録するに)あたって条件をつけるべき。課金でもいいし、一定期間で一定アクセスを取れなかったら強制閉鎖でもいいし、掲示板を置くことを義務とし、書き込みの際にサイト評価点というポイントを読者が判断するようにするのもいい。例えばこんな感じ。
このサイトの評価:
(高い←)(→低い)
一定数の書き込み後、ポイントの平均値が低いサイトは強制閉鎖、というのでもいい。まあ、これではアンチの力押しで何とでもなるという危険は伴うが(アンチがいる時点でサイトとしてはヤバいから結局はOKなんだけどね)。
 さらには、誰でもサイトを持てるという状況が生む、読者→TSOという形。だれでもTSOになれるという状況が一番平和で平等であるかのように見えるが、それが一番ヤバい。映画評論家が監督になっても駄作しか生まないように、カラオケ好きがCDを作っても自己満足にしかならないように、安直にサイトを作ろうと思うことが一番の罪だ。
 罪。そう。サイトを持つことはそれ自体が罪なのだ!(極論)

だからここで言いたいのは、
・サイトの評価方法を不文律ではなく明確に定義する。
・リドミに登録するときは煽られて氏ぬことも覚悟する。
・打たれ弱い奴は氏ね!
・誰もやらないんなら俺が文誅してやる!
ということではなく、みんな仲良しこよしで手を取り合おうよ、ということだ。生きろ。

注・アンチ…何故か意味も無く擁護するアホがいるが、叩くべき奴は徹底的に叩くべきだ。それでヘコむようならこの世界でやっていけないし、叩かれる時点で何か間違いがあったということだし。
氏ぬ…死ぬ。閉鎖する。または閉鎖に追い込まれる。
TSO…テキストサイトオーナー。
極論…自分に酔った馬鹿の言葉。
文誅…天に代わって悪や罪を討つための(宣戦布告のような)文中リンク。
仲良しこよし…そんな退屈な世界は願い下げだ。

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2001/07/23 (Mon) ウサギとカメ

 その日、彼は通算108回目の失恋をした。
 22年間の人生を比べるのなら、彼ほど女運がない男はいないと言っても過言ではなかった。彼はその日も同じように、帰ってからすぐに布団にもぐりこんだ。眠ることでしか自分を癒す方法を知らなかった。友人に言っても馬鹿にされるだけだと彼は知っていた。
「神よ…」
 興奮して眠れない。やり場のない憤りをどうすればいいのかも分からない。涙が溢れるがそれをこぼしてはいけない気がした。
「神よ、あなたは残酷だ。いっそ俺が…、いっそ俺が女なんかに興味を持たなければ!こんな不幸を!悲しみを!憤りを味わわずに済んだものを!どうしてあなたは俺にばかり試練を与えるんだっっ!」
 布団の中で、彼は叫んだ。

 気がつくと、朝になっていた。7月の午前8時はあまりにも暑く、寝汗もハンパじゃなかった。いつものようにとりあえず顔を洗う。しかし何だか体がベトついている気がする。仕方なく、彼はシャワーを浴びることにした。シャワー後、部屋の鏡に映る自分を見て、彼は息を飲んだ。
 …誰だ、こいつ…!?
 そこに映っていたのは、昨日までの冴えない大学生ではなく、まるで絵に描いたような美形の男だった。顔をつねったり叩いたり、鏡の前で変なポーズをとってみたりして、彼はようやくそれが自分だと気付いた。
「おお、神よ…」
 変わっているのは首から上だけらしかった。しかし構わない。彼の脳裏に“復讐”の2文字がよぎった。

 お気に入りのTシャツと穿きなれたジーパンで街に繰り出す。真夏日というのに、まるで汗をかかない。神は俺に最高の肉体をプレゼントしてくれたのだ。こうなったら今まで俺を振りまくった女どもに復讐してやる!けっ!ざまあみろ豚どもめ!
 …豚ども?
 彼は、気付いた。うっかり果たしてしまった神との契約、その内容。彼は最高レベルの外見を得ると同時に、女性に興味を失ってしまっていた。勿論それは男に興味が沸いたという意味ではない。まるで無関心なのだ。まるで老人を見ているかのように、無関心…!とりあえずナンパしてみると、面白いように成功した(番号ゲットあるいは食事への誘いが)。
 神か、あるいは悪魔との契約により手に入れた無敵のウサギの皮。昨日までの俺は努力しても報われなかった亀。例え道の途中で休んだとしても、努力というレベルでは追いつけやしない圧倒的な差。しかし、しかし…!
 復讐の相手を失った彼は、呆然と立ち尽くした。何度も豚に声を掛けられるも、何も感じなかった。これは、そんな数奇な運命を持った男の物語である…。

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2001/07/22 (Sun) 夢うつつ

 舞台は高校。帰ろうとしていた僕は玄関先にワニ(!)を発見。ワニは犬みたいなスピードで歩き回っていました。悠長に靴を履き替えてたら喰われるなーと思って遠くからワニを見ていると、友達が何も知らずにやってきました。そして、ワニに噛まれてしまいました。やっべぇ!と思った僕はとりあえず助けに入り、マリオばりにワニを踏んづけて校舎内へ走りました。
 流石のワニも階段は上れないらしく、2階は安全そうでした。とりあえず遠回りして別の階段から下りようと思っていると、生徒達がこちらへ走ってきました。生徒達の後ろ…つまり僕の前方には、キモいマネキンみたいなのが柱とかを素手で叩き壊していました。そして僕を見つけると親の仇であるかのように見るからにヤバい形相で追いかけてきました。僕は仕方なく(そして必死になって)3階へ駆け上がりました。
 校舎は5階建て。1階は玄関と体育館など。2階は1年校舎。3階は職員室や物理室、科学室、図書室…など。4階は2年校舎。5階は3年校舎。で、3階にもマネキンがいました。そいつは生徒の頭を掴んでは砕き、掴んでは砕きという悪行を繰り返していました。マジ捕まったら死ぬ!と思った僕は4階へ。
 4階の生徒はすでに全滅状態で、何故かマネキン軍団は僕を追いかけてきます。僕は5階から屋上へ走り、何故か止まっていたヘリで生徒数人と共に逃げ出しました。
 上空から見えた街はところどころで火事が起こり、道路では事故が多発していました。そんな中で、ヘリの中の誰かが呟きました。
「今日、世界が終わるんだ…」
ヘリは燃料の続く限り飛んで行きました。

 そんな、救いの欠片もない夢を見ました。映画「バタリアン」を観たくなりました。

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2001/07/21 (Sat) テキ斬り人

新連載「テキ斬り人」プロローグ。
ああ、言われる前に言います。パクリです。

 新世紀、それはフォント弄りとアクセス過多という混迷を抜け、ハイカラなスタイルシートを基調とした華族が栄華を誇る時代。しかし平民とのアクセス格差は開く一方であった。時に自ら英雄を名乗る者が現れては消え、そして能氏と呼ばれては落人村へ堕ちていく。いくつかの巨大な混沌が政権を握り、それに媚びた者のみが時代の寵愛を受けられるという不遇。目立った行動を取ればすぐに朝廷に晒されてしまう恐怖。そんなとき、一人の男が立ち上がる。男はかつてテキ斬りと呼ばれた元政府側の人間だった。この世にはびこる悪を斬り、真の自由と平和を取り戻すと不頃(ころさず)の信念の下に誓い、「文誅」を合言葉に、男は人々を…世界を救えるのか!?そして自ら乱世の姦雄を名乗るもう一人のテキ斬りとは!謎が謎を呼ぶ新世紀TSO物語!2002年夏、公開予定!

注:文誅…天に代わって悪を誅する意味での文中リンク。TSO…テキストサイトオーナー。

 …はい。感想は聞くまでもありません。企画倒れ、と。

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2001/07/19 (Thu) 魔法使いのババア

 魔法使いのお婆さんは、言いました。零時までに帰ってこなければ、お前の魔法は解けてしまうよ。みすぼらしい身なりだった少女は魔法のドレスをまとってお城へ行きました。少女は王子様に気に入られましたが、魔法が解ける時間が近づいたために、逃げるようにお城を去っていきました。途中でガラスの靴を片方落としましたが、そのまま少女は走りました。
「ああ、あのお婆さんはなんてしみったれなの!夜はこれからなのに不遇の私に条件をつけるなんて!それにネズミを馬にしたり布切れをドレスにしたり出来るのなら、完璧な魔法で私を幸せにしてくれればいいのに!ああ、私の王子様。出来ることならもう一度会いたいわ」
 帰る途中の森の中で魔法が切れてしまいました。真っ暗な森の中、少女には家の場所がわかりません。周りには明かりの1つもありませんでした。そこへ、魔法使いのお婆さんがやってきました。
「お嬢さん、零時までに家に帰れなかったようだねえ。ひえっひえっひえっ。悪いが、もうアンタは帰ることは出来ないよ」
「なんですって!お婆さん、約束が違うわ!」
お婆さんは杖を少女の喉下につきつけて言いました。
「細かいこと言ってるんじゃないよっ!メーン!あたしゃ、アンタを幸せにしたくてやってきたのさ!ほら、今度はアンタがこの杖を使う番だよっ!」
 少女は言われるままに杖を手にしました。お婆さんの姿はだんだんと消えていきます。
「お嬢さん、アンタにかけられた本当の魔法は、時間切れのない最悪のループよ。今のアンタには魔法が使える。ほら、家の場所がわかるでしょう?しかし、もうあんたはあの家の娘ではないよ。あんたは魔法使いのババアとして、家にいる娘に魔法をかけるんだ。娘が言うことを聞いて零時までに帰ってこれたら、あんたの魔法も解け、あんたは家に帰れるだろうさ。しかし、もし娘が…アタシが、いや、アンタが帰ってこれなかったら、アンタもこうして消えていくんだよ…」
「ちょっと待って!お婆さん!わけがわからないわ!」
「強く強く言い聞かせるんだよ…零時までに帰って来いとね…」
 お婆さんは、消えてしまいました。さっきまで少女だった魔法使いは、家に帰るために、自分の家へ向かいました。

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2001/07/18 (Wed) 天は人を平等に作ったから

 少年は、野球が大好きで。
 夜明けと共に目を覚まし、ジョギングをし、朝食を食べ、学校に行き、夜遅くまでクラブ活動に勤しみ、帰ってきてから両親に今日あったことを話し、疲れた父親とキャッチボールをする。父親は車のライトを点け、バッテリーが上がらないかヒヤヒヤしながらも、小一時間のキャッチボールを日課として楽しんだ。
 少年が四年生のとき、車のライトが不意に切れた。父親はボールを受け損ない、頭にぶつけてしまった。それが原因で父親の体は思い通りには動かなくなった。そして親子はキャッチボールをしなくなった。
 少年は自分を責めながらも、毎日壁に向かってボールを投げ続けた。
 やがて少年も高校生になり、甲子園を目指すようになった。ポジションはピッチャーで、父親のために、チームのために、そして自身のために優勝を誓った。しかし県大会準決勝で、少年のチームは敗退した。
 そして少年は一度も甲子園に行くことのないままに高校を卒業し、とりあえず大学に進学した。それから数年。かつて背負ったものを未だに引きずりながらも、少年は退屈な毎日を過ごしていた。漫画やドラマなら少年はプロの選手になっているはずだった。部屋に飾ってある古い軟式のボールが、いつも少年にプレッシャーを与え続けた。
 現実は、少年にとっていつも退屈で。それでも少年は、野球が大好きで。

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2001/07/14 (Sat) 午前五時、誰かが僕を揺り起こす

 子供の頃は、どうしてあんなにも怖いものが多かったんだろう。夜トイレに行くのが怖かったし、暗い夜道も怖かった。シャンプーのとき目を閉じているだけで後ろに誰かいるような気がしてた。学校や病院には確実にオバケがいると思ってたし、マンホールの下には何かがいると思ってた。
 子供の頃から霊感がなかった僕だけど、心霊ネタにはいつも敏感だった。いつだって恐怖を願いながら、恐怖に怯えて生きてきた。そんな僕も大人になって、無駄に徹夜したり肝試しをしたりして十代を過ごし、夢を追い仕事に追われ一人暗いオフィスで二十代を過ごしたりして、やがてオバケを信じなくなった。
 オバケに会ったら不条理に殺されるものだと思い込んでいた。しかし、大人になるにつれ、その辺のことがわかってきた。全てには理由があるってこと。オバケだって好きで化けてるわけじゃない。そこまで暇じゃない。
 午前5時、僕を優しく揺り起こすいつもの誰かに、僕はそっけなく「またにしてくれ」と言い返した。子供の頃の僕ならば、こんな状況をどう思っただろう。

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2001/07/12 (Thu) あるTSOの人生~2

 面白いサイトを見た。どんなサイトが面白いのか、なんとなくわかった。わかったんだから出来るはずだ。ソースはパクリだけど関係ない。で、早速作ってみた。作ってみたら人に見せたくなった。誉めて欲しくなった。
 僕はこんなサイトを作ったんだよ。日記を書いてるんだよ。面白いだろう?僕の日常。ほとんど嘘とパクリだけど、気付かないだろう?ねえ、誉めてよ。面白いって言ってよ。ほら、オフ会にも参加したんだ。顔写真も載せてるんだ。かっこいいだろう?ねえ、誉めてよ。ほら、今度は短編小説を書いてみたんだ。面白いだろう?面白いって言ってよ。続きが読みたいって書いてよ。掲示板に書いてよ。僕を誉めてよ。
 いつしか気付いた。その心理が、TSOとして「能が氏んでる」と呼ばれた誰もが通過した道だったことに。しかしそう言われても仕方なかった。言い返せなかった。だって、それは本当のことだったから。最後に全部を人のせいにして捨て台詞を吐いて逃げることが、そんなクズTSOのお決まりのやり方だった。
 そして当然のようにサイトを閉鎖した。少しだけ話題に上ったが、すぐに消えた。当の本人はと言えば、閉鎖後すぐにまたテキストが書きたくなり、サイトを作るのだった。

注・TSO…テキストサイトオーナー。能…脳。氏ぬ…死ぬ。

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2001/07/11 (Wed) 第三の爆弾

 「昨日」は頭痛がひどくて、1日中寝ていた。昼過ぎに目が覚めて、御飯を少し食べ、気持ち悪くなったからまた眠って、午後4時ごろにくしゃみがとまらなくてティッシュの箱に手を伸ばすもカラで、鞄に入っていた2000円割引と書かれたポケットティッシュを何とか手に取り、次に気がついたら午後7時で、少し楽になった気がしたからカーテンを開けると外は土砂降りで、御飯を食べようとしても口の中が変な感じだったからやめて、そして、そう、そして、次に目が覚めたのは、「昨日」の朝9時だった。
 どこからどこまでが夢で、どこからどこまでが現実なのか分からなかった。時計は9時を指しているのに外は明るくて、テレビをつけると「昨日」見たはずのニュースが映し出され、沢山書いたはずのノートは机の上にはなくて、食べたはずのプリンが冷蔵庫に残っていた。
 きっとこれが夢なのだと思うように眠りについた。次に目を覚ますと、土砂降りの空はやけに赤くて、夕焼けか朝焼けかはわからない「5時」、テレビは映らなくて電話は通じなくて、いつも渋滞してる家の前を走る国道には車が一台もいなくて、僕はびしょ濡れになりながら駅まで歩いて…、いや、駅?駅に着いた僕は、誰かに呼び止められた。そう、誰かいたんだ。でも僕はまた布団の中にいて、大量の寝汗をかいていた。何故か充電の切れた携帯を握っていて…
 「今日」はいつなんだ?テレビはまた「昨日」の日付を示し、時報を聞いても信じられない。どうしたんだろう。僕はイカれてしまったんだろうか。はっとして窓の外を見ると、依然として土砂降りの中で車は渋滞していた。
 そしてとりあえず落ち着こうと思い御飯を食べようとしたとき、僕は気付いた。

 部屋の中で唯一変わり続けているもの。或いは変わらないもの。全ての「今」を経験し続けていたものが、あった。救われたと思った僕はそれを…

 そしてまた、目が覚めた。

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2001/07/10 (Tue) 砂漠と日常

 砂漠を、歩いていた。首からぶら下げた、子供の遠足で見かけるような水筒。リュックにはスケッチブックと大学ノートと24色の色鉛筆。左手には杖代わりの傘。血管が浮き出た右手はしっかりと汚れたタオルを握っている。僕は、砂漠を、歩いていた。
 色んな町を通り過ぎた。色んな命が通り過ぎた。蜃気楼も見た。オアシスも見た。サソリもラクダも、日食も見た。最後の町で冷えたレモネードをくれたおばさん。あなたは今日も、嫌になるくらい豪快に笑っていますか?
 スケッチブックはあと3ページで終わる。色鉛筆の青はもう2センチしか残っていない。僕は絵を描いた。下手くそな絵も、37枚も描けば少しは上達しただろう。破れた数ページは、厚意を受けた人たちにあげたものだ。
 電線で区切られた曇り空と、太陽しか無い果てしない青空。海は続いていなくても、空は続いているのだと、そう言ったのは誰だったろう。この空の果て、僕は、ゴールへ辿り着くのだろうか。

* * *

 けたたましい金属音が鳴って、僕は目覚めた。そしてまた時間に追われるように走り出す。僕らの居場所はこの明るいシェルターの中だけ。宇宙服のようなピカピカのスーツを着込み、視界が120°程しかないヘルメットを被り、間接をテープでぐるぐる巻きにしたら今日も地上の調査に出る。塵と埃と死臭だけの、真っ暗な地上へ。僕らが夢見た、空の下へ。

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2001/07/09 (Mon) 夢追い人~2

 奴は麻薬Gメン。職場は空港だ。毎日ヤバそうな犬と共に怪しい客をチェックする。奴の勘は犬の鼻より鋭く、奴の足は馬より早い。最近は麻薬も小さな袋に入れたりすることは少ないという。最早、麻薬は粉であるという考え方さえ過去の遺物でしかない。最近は、粉を固めて薄く伸ばしカード状にするのが流行だという。嫌な流行だ。まるでガムか…一サイズ大きくなるとクレジットカードのようだという。
 奴の名は、佐倉ソーゴロー。伝説の義民の血を引く男。人は奴をこう呼ぶよ。

 カードキャプター・佐倉。

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2001/07/05 (Thu) あるTSOの人生~1

「私怨は無いが、テキスト界のために氏んで頂く」
ズバッ ズバッ ズザザー…
 その男は、テキスト界を荒廃させると思われるクソサイトの登場と共に現れては、圧倒的に強引な理論と強力なバックボーンでそのサイトを滅ぼし続けてきた。男はサイトを持ってはいなかったが、さすらいの潰し屋としてある種の都市伝説のような存在と恐れられていた。当然、その界隈で男を知らぬ者はいなかった。
 興味本位で男に噛み付いた者は例外なく頃され、誰も男をネタにはしようとしなかった。人々は畏怖し、あるいは尊敬し、いつしか男をこう呼ぶようになった。

…テキ斬り抜刀斎…!

 時は流れ、大義のためにその凶刃を振るうこともなくなったその男は、自らの罪を償うために1つのサイトを立ち上げた。
 テキスト界のためと言い続け若いTSOを頃し続けたこと…
 その自分が、テキスト界を荒廃させる要因となったのではないのか…
 氏を呼ぶテキストを書いてしまったことへの贖罪…
 罪を償う答えを求め、歩き出す…
一人のTSOとして…!

続く。ベケベン(三味線)。
注:TSO…テキストサイトオーナー。氏…死。頃す…殺す。2001年当時、こういうのが面白いとされてた

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2001/07/04 (Wed) ベンツに乗った勇者

 か弱い一般市民が魔物に苦しめられているところへ、一人の男がやってきた。男は金をちらつかせ、魔物を手なずけてしまった。それどころか、魔物の親玉をも金で屈服させてしまった。町には平和が戻り、人々は彼を勇者と呼んだ。
 勇者は町じゅうに金を配って周った。町は潤い、人々は喜んだ。その喜びをどうにか形にしようと思った町人は、出来る限りのもてなしをした。派手な衣装の娘が踊り、町一番のご馳走と酒を振舞った。
 次の日の朝、勇者は町を出て行った。町人は名残を惜しんだが、いつしかそのことは伝説じみた逸話となり、人々の心からは忘れ去られてしまった。
 ある日、町で喧嘩が起こった。土地の境界線を争う地主同士の争いだった。争いは次第に大きくなり、町人は武器を手にとって殺し合いを始めた。そのときには、原因が何だったかを知る者などいなかった。
 それからしばらくして、町を再び魔物が襲った。町は壊滅したが、、わずかに残った人たちは協力して復興を目指そうと誓った。都合よく生き残っていた長老は、こう言った。
「勇者とは幻想。魔物とは心。その両者を生むのは、金を欲する人の欲望じゃ」
町の人はこう言った。
「うわぁ、さすが長老、ベタベタなまとめ方やなぁー」

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2001/07/03 (Tue) 夢追い人~1

 少年は高校を卒業してから3ヶ月、何もせずに過ごした。漫画を読みゲームをし、寝たいときに寝て食べたいときに食べた。しかし、死にたいときには死ねなかった。
 大学に入ること、そのための努力に疑問を感じ始め、少年はいつしか勉強をやめた。そして少年が19歳になった夏のある日、両親は少年にアルバイトをするように勧めた。少年は仕方なくアルバイトを探し、2駅先にある古本屋で働くようになった。この頃、少年はインターネットを始めた。バイトとインターネットの日々。少年の興味は尽きることがなかった。その点で少年は幸せだった。
 バイト代は本に消えた。いつのまにか漫画よりも小説を読むようになっていた少年は、3日に1冊のペースで小説を読み漁った。読んだ小説のタイトルと感想を大学ノートに記した。やがて少年は町の図書館に通うようになった。バイトとインターネットと図書館。それだけが少年の世界だった。
 そして少年が22歳になったある日、約3年間で読んだ本は600冊を超えた。そのときには、小説だけではなく、あらゆるジャンルの本を読むようになっていた。勉強はしなかったが、知識だけはそこらの大学生にも負けないと思っていた。

 同級生が就職活動に明け暮れているとき、彼は小説を書き始めた。最初は思ったことをただ書き綴っただけのつたないものだった。やがて、頭に浮かんだ場面場面をメモのように書き溜め、ついに一本の作品を仕上げた。
 彼はその作品を賞に応募した。しかし、結果はあっけなく一次落選。その報を知ったとき、彼は小説を書くことを諦め、同時に家を出た。22歳の冬だった。

 彼は生まれた町から逃げ出すような思いで、遠く東京へ来ていた。一からやり直そう、そう決意して、小さなパン屋で住み込みのバイトを始めた。それから半年、パン屋の主人が安いアパートを見つけてくれた。彼はそこで一人暮らしを始めた。
 東京へ来て1年、彼はパン屋をやめた。主人は彼を責めるどころか、今までよく頑張ってくれたと言い、これからも多少は面倒を見てやるとまで言ってくれた。

 初体験は風俗だった。24でやっと世間を知った彼は、カネを使うことを覚えた。カネを使えば、世間は彼を見てくれた。日雇いのアルバイトを繰り返す日々の中で、彼は自分の生活に疑問を感じ始めた。
 始めて出来た彼女は、ある宗教にハマっていた。彼は仕方なくセミナーを受け、そして、ハマった。世間から隔離された修行場で、彼は幹部になるべく苦行を続けた。

 彼が29歳のとき、その宗教の代表が捕まった。修行仲間はバラバラになった。実家に帰ると言っていた者が大半だった。彼は東京へ行き、ホームレス生活を始めた。
 風俗の看板持ちのバイトをしては金を得て、いつしか這い上がろうと決めた。しかし、カネはいつのまにか消えていった。そんな中で30の誕生日を迎えた夏の日、彼は少ない給料で原稿用紙とペンを買った。驚くほど字が下手になっていたことに涙が止まらなかった。

 宗教時代とホームレスになってからの彼の身上を生々しく書いた作品「ストレスレスホームレス」はヒットし、半年後、なんとかホームレス生活を脱することが出来た。それからすぐに、彼は元信者仲間に刺された。

続く(と思ったけどやっぱ続かない。続けない。)

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2001/07/02 (Mon) 街一番のカブキ者

 豚が踊る舞台。白と黒のダンス。映画館から出てきたときに太陽を直視してしまったときのような絶望的爽快感。目の前には一緒にアイスを食べている高校生カップル。左の方にはブカブカの服を着てキャップを逆にかぶる年齢不詳の未成年たち。右にはどんな大金を積んだのかわからない、汚らしい親父と化粧も控えめな美女(身につけているものはピカピカ)。
 俺はそのどれにもなりたくて手を伸ばしたけど結局なれないことを知っていたから、もしも俺なら…と唄う。いい加減嫌になったので中華料理屋でチャーハンと杏仁豆腐を頼み、そのあまりの普通さに落胆する。気付けば周りは赤と青のダンスに変わっていた。よく考えると前に見たそれは白と黒ではなく、黄色と黒だったような気がした。濁っている…?何が。俺が?同じだろ?豚も俺も、駅に向かって走る人たちも。

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2001/07/01 (Sun) 新規サイトオープン…のはずが

 そんな下らない日々を送る虫けらどもに捧げる新サイト。タイトルは「J.A.M.」。ピリオドはなんとなくつけただけ。
 下らない。救われない。だけど本当のことを書き綴ろうと思います。疑問、欺瞞、偽善、義憤。まるで映画を観て「俺も頑張るぞ」と思い涙するときのような意味の無い決意。そんなサイトを目指します。前サイトの客なら知ってるでしょう、僕のブルース。青くひねくれた歌。ああ下らない。
 ガキの頃、何かにつけ「死んだ方がマシだ」とか、友達との約束に「命賭けるか」とか言ってたときのような、無邪気な残酷さを胸に秘め、頑張りたいと思います。終わり。

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