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2002/01/31 (Thu) アライブ

 世界一綺麗な花の球根を手に入れました。

 争いが起こりませんように、そう願って、球根を国境線の下に埋めました。

 1年後、その花を巡って争いが起こりました。

 その花の近くに、沢山の地雷が埋められました。

 遠くから見たその花は、やっぱり世界一きれいでした。

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2002/01/22 (Tue) ハッピーライフ

 もしも世界が僕を中心に回ってるとしたら。この世の全てを手に入れたとしたら。
 全てのものが手に入り、全てのことができて、全ての人に愛されていたとしたら、僕は、どうするだろう。慈善事業でもするだろうか。それとも、贅の限りをつくして遊びほうけるだろうか。

 ていうか、そんな中で僕は人を信じること、愛することができるだろうか。
 誰もが僕に媚を売る。僕に何かしてあげたいんじゃなくて、何かしてほしいからだ。
 誰もが僕に嘘をつく。僕にとって本当のことなんて必要ないからだ。

 そんな世界を想像してみて、今度は逆に、僕が世界一不幸で貧しかったら、なんてことを想像してみた。どんな手段を使ってでも僕はお金を、あるいは食料を得ようとするだろう。少しでもよい暮らしができるように、ってあがくだろう。

 じゃあ、この国この場所でこんにちこのときを生きれることを、幸せと思うべきなのか?まぁコンビニで暖かいものを買って暖まってお腹いっぱいになれることは、幸せそのものかもしれねぇな(暖かい部屋のソファベッドでガウンを着てワインを傾けながら)。

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2002/01/20 (Sun) a life

 「胸の中で生き続ける」という表現がある。僕にとってそれは、少し、意味が違ったような気がしていた。

 もっといい男になって、彼女にふさわしい男になって、もういちど出逢う。そんな約束を交わして一時の別れを選んだ僕らだった。当時僕らはまだ子供だったから、それぞれに数年を過ごして、それでもまだ想い合えるなら、この場所で出逢おう。そんな、約束を、交わした。
 それはもう2ヶ月も前の話で。

 先日、風の噂で彼女が亡くなったと聞いた。
 確認したくなかったのは、彼女を殺したくなかったからだ。…僕の中から。彼女はこの数年の間、ずっとあの日のままで生き続けてくれていた。僕はあの日の彼女を今もずっと想っていたから、今日まで生きてこれたんだ。

 だけどそれを知った僕の中で彼女は、もう、死んでしまった。それは僕がただ現実を受け止められないだけなのだけれど。できれば僕の中で生き続けて欲しかったけれど。なぜかそれはなくて、なぜか気持ちも消えてしまっていて。

 彼女の中で僕は生き続けていられるのだろうか?
 それとも、消えてしまった方がよい(あるいはよかった)のだろうか?
 それでも、今日まで頑張って、あの日よりもずっとずっといい男になったから、僕はこれからを生きていけるだろう。多分、今少しだけ感じた辛さは、来月には消えているのだろう。

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2002/01/10 (Thu) マトリクス

 それを与えること、遣うこと、配ること、あるいは奪うこと。そのどれもが簡単で、誰もそれについて考えようとはしなかった。それの存在が科学で証明されてからは、それの大切さを誰もが忘れてしまっていた。
 当たり前すぎたそれを、いつしか人は失ってしまった。もちろん、なくしたわけではなく、厳密に言えばそれの一部を、失ってしまったのだった。しかし人はそれを形にする術を持っていたから、動物やブリキのおもちゃやぬいぐるみや壊れた家電製品や観葉植物にもそれを与えていった。そうして世界にはそれが溢れていった。一部をなくしたままのそれが。

 それは、遠い未来のお話。世界は平和そのもので、仕事をするロボットとロボットを操る人々は、来る日も来る日も同じように穏やかに過ごしていた。
 そんなある日、王様が突然こんなことを言い出した。
「本当の心を持って来い!」
 人々は戸惑った。本当の心とは何だ?それが何の役に立つんだ?
 偉い学者達は、古い文献を持ってきては王様に読んで聞かせた。しかし、読んでいる方も聞いている方も、その物語が何を言いたいのかがわからなかった。王様は言った。その様な類の文献など、全て捨ててしまえ。
 数日後、王様は自分が欲している心を何と呼ぶかに気付いた。その時代にはなくなっていた言葉だった。思いやりや感動など、何の意味があるのかわからなかった。

 世界中からたくさんの人々が集まり、王様の心を動かそうと必死になっていた頃、一体のロボットがそれに混じって宮殿で順番待ちをしていた。古い型のロボットだった。今では標準仕様のはずのそれを持っていなかったそのロボットは、かつて自分が与えられたのと同じように、心を王様に与えようとしていたのだった。
 ロボットに順番が回ってきたときも人々は王様を感動させることができず、王様自身もあきらめかけていた。王様はロボットの番が来たことを知ると、目障りだと言って側近にロボットを破壊させた。
 次の日も、人々は宮殿の前に長い列を作っていた。王様も律儀に一人一人に会ってはそのパフォームを眺めた。
 次の日も、そのまた次の日も。

 いつしか王様は感動を求めることに疲れてしまった。ある夜ベッドで眠りにつくとき、幼かった頃のことを少しだけ思い出した。それは古い思い出。町に連れて行ってもらったときに買った、古い型のロボット。王様は自身で心をそのロボットに与えたのだった。胸の小窓に丁寧にそれを入れていく。ああ、そんなこともあったなぁ。あれには本当にドキドキしたものだ。あのロボットは今も元気に稼動しているだろうか。
 そういえば、あの会見にもロボットが来ていたな。古い型のロボットだった。そう、ちょうどあのときのロボットのような…
 そのとき、王様は思い出した。良く似たロボットのことを。あれを壊すように言ったのは早計だったな。そうだ、まだゴミ置き場にあるだろうか。暇だから、ちょっと探してみよう。

 王様は側近が止めるのも聞かずに真夜中のゴミ置き場を探して歩いた。ガラクタばかりが転がっていた。数日後には、全てが溶かされ単なる鉄の塊になってしまうだろう。その前に、探さなければいけない。気になる。気になる。なぜだ。そんなことをして何の役に立つ?何の意味がある?


 ゴミの回収業者がやってきた。王様は今日もロボットを探していた。前に見たところももう一度見ては、その部品が落ちてないかを確認していく。
 側近や大臣や業者も王様を手伝った。宮殿の全員がガラクタ置き場に集い、ロボットのカケラを探し始めた。そうしてしばらくして、王様はついに見つけた。
 そうだ、これだ。あのときのロボットだ。一体どんなパフォームで感動を与えようとしてくれていたんだろう。

 そう思いながら、王様は胸の小窓を開いた。らしくもなくドキドキしている自分に気付く。そして、
小窓に書かれていた、
幼い自分のサインに気付いて、
言葉も無く、
涙を流した。

 側近達は意味がわからず、しかし嬉しそうに、同じように。それはただの達成感ではなくて、きっと言葉にすれば陳腐なもので、古い言葉での表現しかできないけれど、きっとかつての人はそれを、そう呼んでいたのだろう。
 それは王様の探していたものとは少しちがうのだろうけれど。

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2002/01/06 (Sun) 使えなかった設定

 男は、その幸せを壊さぬために優しい嘘をつき続けて。
 女は、その幸せを守るために真実を言い続けて。
 互いに思っていたことは同じでも、失いたくなかったもののために、逆にそのせいで、それを失ってしまう。そして作り笑いと本当の微笑みの境界がなくなった頃には、時間が経ちすぎていて、互いに一人になることを選んだ頃にはもう、それぞれに別の相手がいて。
 思いやりが生んだ空回り、それがいけなかったのかを判断しようとした頃には、その幸せは古すぎる思い出になっていて。

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2002/01/04 (Fri) 昔はこういうのが流行ってた

 俺は適素戸 一郎(てきすといちろう)。人呼んで“テキスト狂四郎”だ。あだ名が本名と全然関係ないのはご愛嬌だ。実は、俺は父の行方を探している。父は去年の年末(っていうか2週間ほど前)に謎のメッセージを残して失踪した。
 『伝説のテキストサイトを探しに行く』…。伝説のテキストサイトとは一体何なんだ。親父は何か知っていたのだろうか。俺もそうだが、敵素戸一族の男は皆、日記書きだ。幼少から日記を毎日つけることに関しての英才教育を受けて育つ。そして二十歳の誕生日には真っ白な本を渡されるのだ。それは『自分史』をつけるためなのだが。
 そうだ。親父の自分史を読めば、何かわかるかもしれない。そうとなったら早速、実家の書斎へゴーだ。そこには平安時代から続く、敵素戸一族の自分史が置いてある。俺は今まで全然興味がなかったので読まなかったが…、実はそこにヒントがあったのかもしれない!

 「待てっ!」
走っている俺を呼び止める声。誰だ!
「貴様、テキスト狂四郎だな?」
 そこにいたのは、コテコテの怪人だった。
「テキスト将軍の命により、貴様を倒す!」
いきなり喧嘩をふっかけられた。ていうか…
「悪い。またにしてくれ」
俺はそう言って振り返り、走り出…
「親父のことを知りたがっているんだろう?」
「何っ!」
その怪人はニヤニヤと笑い、ノートパソコンを取り出した。
「さあ、勝負だ、テキスト狂四郎!!」
「貴様、親父の行方を知ってるのか!」
「俺に勝ったら教えてやろう」

***

「うわぁぁっ!」
「ハハハハハ!口ほどにもない!テキスト狂四郎、獲ったぁ!」
と、その瞬間…!
「待てい!」
 また変なコスプレの奴が現れた。
「テキスト皇帝の命により、この男を守護する!」
…??

「テキスト皇帝だと!奴が…まさか!ではこの男はやはり伝説の…!?」
「テキスト将軍の使いよ!立ち去るがいい!それとも我々を敵に回すか!?」
「く…っ!仕方ない!覚えていろ!!」
 怪人は走り去った。

「やあ、危なかった。君のことは、お父上から…いや、ある方から聞いていてね。危なくなったら助けるようにと言われていたんだ」
「父を知ってるんですか!?」
「ああ。お父上のところへ行きたいか!?」
「はい。お願いします!」
「わかった。しかしこれは少々、辛い旅になるぞ…」

 こうして、伝説のサイトを求めての、俺の長い旅が始まったのだった…

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2002/01/02 (Wed) don't look back

[シーン1・男の部屋]
女、部屋から飛び出す。
男、女の腕を掴む。
男「待てよ!」
女「離して!!」
女、手を振り払い駆け出す。
<歌:男と女の喧嘩>

[シーン2・夜の公園]
女、肩で息をしながら公園前で足を止める。
ジャングルジム、ブランコ、ベンチ、の順でゆっくりと見て歩き、砂場。
作りかけの砂の城の前でしゃがみこむ。
スコップを砂の城に刺し、大きくため息。
<歌:思い出>

[シーン3・夜の街(渋谷センター街のイメージ)]
男、走りながら女を捜す。
少年3人の中の1人にぶつかり軽く謝る。
少年、男を殴る。男、逃げる。
靴屋、カラオケ、ファーストフードの店を眺め、駅の方へ。
<歌:思い出>

[シーン4・女]
ブランコに座ってため息。
(約1分うつむく)
ふと顔を上げると目の前に猫。
猫に手を伸ばす。
軽く撫で、持ち上げ、ブランコに座る。
大きくため息。
<歌:私が悪かった>

[シーン5・男]
駅裏の公園で女を捜す。怒りを隠せない表情。
小さい噴水の前でいきなり振り向き、駆け出す。
<歌:俺が悪かった>

[シーン6・公園]
男、公園を走る。
女、猫を放し歩き出す。
そこへ男到着。
(沈黙)
<歌:ジャングルジム、ブランコ、ベンチは見ていた>
(女、やけに明るく)<歌:ごめんなさいラップ>
男、女の手を取る。
<歌:おうちへ帰ろう~トランス~>

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2002/01/01 (Tue) R&B

 朝、目覚めると、空が真っ赤だった。
 最初は夕焼けか朝焼けだろうと思っていた。しかし、どうやらそうではないらしい。しかも、なんだか様子がおかしい。いつもの僕の部屋…のはずなのに、妙な違和感を感じる。何だ?なんだかムズムズしてくる感じ。落ち着かない感じ。なぜだ?落ち着いて考えろ。部屋の中で、変わってるものを、見つけるんだ。
 まずはカーテンだ。真っ赤なカーテンで…、布団のシーツや枕も真っ赤で、部屋の壁は白で、そう、僕の部屋は2色でシックに統一してあるんだ。
 ………白と、赤に?
 違う!僕は…、そう、確か、白と青で部屋を統一していたはずだ!何だ?何でそんなことを思い出せなかったんだ?まずは鏡だ。鏡を…、あれ?
 鏡に映った男は妙に青白い顔をしていた。その瞬間、僕は気付いた。そして窓の外を確認してみる。僕の仮説を検証してみる。どうやらそれは、確からしい。しかし、そんなことが有り得るのだろうか?そうだ。海だ。海へ行けばいい。元旦に海へ行く奴なんて、そうそういやしないだろう(年末カウントダウンが海で行われたことは知ってたけど)。

 …。案の定、海も、真っ赤だった。世界の終わりだと思った。しかし他の人々は誰も皆、いつもと同じように笑い合っている。なぜだ。気付いてないのか?こんなことに。それとも僕はおかしいのだろうか?
 とりあえず部屋へ戻る。当分の食料はあるから、しばらくはここから出ないで生活できるだろう。

 それにしても落ち着かない。イライラする…。だけど僕はこの色が大好きだ。と、そう思った瞬間、僕の脳裏に一つのことが浮かんだ。そうだ。そのことを考えたことなんてなかった。しかし、そんなもの…いや、そんな場所、この世界に存在しているんだろうか?“そんな色”で構成された場所なんて、この世界に…?


 赤と青が入れ替わった世界で、その原因を知るために僕は紫色で構成された場所を目指した。空と海が赤く染まり、人の体が青く変わり、冷静と情熱がその意味を入れ違えた世界の、その“赤”と“青”の境界がどこにあるのかを、知りたかった。それとも世界は紫色で統一されてしまうのだろうか。いや、あるいはこの宇宙そのものが、濃い紫で染まっているのかもしれない。だとすれば、僕らの存在はなんてちっぽけんだろう。僕は今まで白と黒が世界の基本色だと思っていた。だけどこれからは…。


 と、そこまで考えて、僕はもう一色を思い出した。そう、緑だ。赤、緑、青。RGB。それらを混ぜ合わせれば、宇宙の色さえ表現できる。僕はとりあえずお花屋さんでラベンダーを買い、小さな紙袋に入れて、電車に乗った。僕が目指すべき場所、その色は、きっと…

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