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2002/02/25 (Mon) HIKIKOMORI

 世界にはめぐまれない子供がたくさんいるのだとテレビで知った。たった一口の食料さえ手に入らずに苦しみ死んでいく子供たち。数滴の水も、肉も、何もない日々。

「そうか、じゃあ捨てようとしてたこのお菓子も、もったいないな。やっぱり食べよう。この子たちが食べれない分も、僕は食べれるだけありがたいと思ってちゃんと最後まで食べることにしよう」

 そう言ってテレビとパソコンだけに向き合いお菓子を食べ続けるその男、
 体脂肪率42%。

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2002/02/21 (Thu) 人を励ます言葉

 「頑張れ」って言うと、一見励ましているように見えて実はそれは凄く冷たくて、そもそも命令口調だし自分のことだから自分でやれって言ってるみたいだし、“頑”なに“張る”(かたくなにはる)ってことは何言ってるかわかんないけど頑なっていう言葉は『意地を張って自分の考えや態度を変えようとしないさま。頑固。一途。』あるいは『ぎこちなく見苦しいさま。不体裁なさま。』だし、それを張るんだからこりゃ困ったもので、ていうか語源は『我に張る(がにばる)』っつうことでとにかく自分を精一杯つっぱれってことらしいから、何が言いたいかっていうとつまり、僕はこの言葉が嫌いですってことです。
 自分でやれよって、言われるのはわかるんだけど、そしてそれしか言葉はないようにも思えるんだけど、人に言うときはそうじゃない。励ましの言葉は「頑張れ!」じゃなくて、「一緒にやってこうよ」とか、そんな感じです。
 だから「一人で頑張ってないでちょっとは協力させろよこの馬鹿!」くらいの言葉が、これからの時代の励まし…ひいては応援の文句になっていけばいいと思う。

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2002/02/18 (Mon) 新宿プロムナード

 駅前には数え切れないほどの人がいて、皆一様に何か目的を持っていて、それに向かって足早に歩いていく。僕はときどき東口に寄っては色んな人に可愛がられ、人々の心を癒す。渋谷には銅像になったワンがいるけど、僕は忠犬なんかじゃあない。そもそも飼い主だっていないし、ご飯もいつも拾い物だ。ときどきドッグフードが食べたくなるけど、飼われているワン達はご飯とかおかずの方がいいと云う。そう、吾輩は、ワンである。
 歌舞伎町には深夜まで営業してるペットショップがあって、ガンガンに音をならして照明もバシバシにつけて色んな人の見世物にされている小さなワン達がいる。ご飯も少ないしうんこも片付けてくれないし、あそこにいるワンがいつまでも赤ちゃんみたいなのは成長できないせいだ。僕はそれから見るとかなりマシな方だろう。
 自由ということ。それはこの街には結構意味を持つ言葉かもしれない。縛られない人が多い街。逆に縛られている人はとことんがんじがらめで、自分の縄張りさえ見失っている。僕はそれから見ると少しはマシな方だろう。
 新宿で生き抜くワンは、実はあんまりたくましくない。いろんな人が可愛がってくれるから。家を持ってない人でさえ僕にご飯をくれたりする。ときどきオモチャの鉄砲を持ったクソガキがワンとかニャーとか鳥とかを狙ってるけど、まずはあいつらがヤクザに撃たれて死んじまえばいいんだ。僕はそれから見るとまぁマシな方だろう。
 路肩に止まったなんたらケバブーが好きだ。多分ビルの谷間に生きるワン達は皆好きなんだろう。串刺しにされている大きなお肉を腹いっぱい食べたくて、今日もあのヘンテコな日本語を使う外人さんの後をついて歩く。店を閉める頃には一口だけお肉をくれるから、今日もいい日だったなと尻尾を振ることができる。僕はそういう意味ですごく幸せな方だろう。
 身だしなみは重要だ。小さくて可愛らしいワンなら多少汚れてても撫でてもらえるけど、僕みたいな中型のワンは結構汚くなるので、よく自分を洗っている。文字通り自分を磨いているのだ。磨いてはないけど。ちゃんと水浴びしてる。公園とかによく行くよ。ただの浮浪ワンだなんて云わせない。
 とにかく…
 都会のワンは今日も健気にてくてくてくてく歩いてくっ!

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2002/02/15 (Fri) ライトホラー「自分電話」

 駅裏の怪しい露店の怪しい老婆から怪しい水晶占いをしてもらってオプションで買わされた携帯電話が鳴りました。発信元は通知不可能と書いてあります。僕はそれを取りました。
「…もしもし」
向こうではサー…という軽いノイズと、濡れた道を走る車の音が聞こえます。道路かどこかから掛けてきているようです。
「もしもし?誰ですか?」
「俺だよ」
「ひょえっ」
その人は不思議な声で俺だよと言いました。なぜかその言葉は僕の頭の中に響きました。
「俺って誰ですか」
「俺だってば」
「俺?」
「俺だよ」
「俺なの?」
「そう。俺」
「俺かぁ」
「俺だよ」
「どこの俺だって?」
「どこじゃない。いつの俺か、だ」
「いつ?」
「そう。いつか。それが重要だ。ちなみに俺は10分後のお前だ」
僕はすかさず時計を見ました。18時5分でした。
「お前が俺なのか」
「そう。俺はお前だ」
そんな、意味不明な会話をしたところで電話は切れました。なんだったんだろうと思い着信履歴を見ると、数字が書いてあります。しかし明らかに電話番号ではありません。
 20030413181415。
 14桁の数字です。それが何を意味しているのかは、なぜか直感的に理解できました。その数字の通りです。2003年4月13日18時14分15秒、の、自分から掛かってきたのです。多分。多分ね。時計を見ると18時10分です。試しに僕は20040413123000と打って掛けてみました。
 プルルルル。プルルルル。
「もしもし」
「もしもし?」
またも不思議な声の男が出ました。それを不思議だと感じたのは、きっと自分の声だからなのでしょう。
「もしもし…俺ですか」
「ああ、俺か。初めての電話だろ」
「あ、はい」
「まあまあ、使い方は分かったな?今俺忙しいんだ。きっとお前ももうすぐ忙しくなるよ。じゃあ切るよ。他の俺にも掛けてみろ」
 電話は切れました。僕はちょっとコンビニへ行こうと思い部屋を出ました。外はいつのまにか雨が降っています。そこで少しひらめいて、僕はある番号へ電話を掛けてみました。
 プルルルル。プルルルル。
「…もしもし」
相手はすぐに取ってくれました。
「もしもし?誰ですか?」
「俺だよ」
「ひょえっ」

***

 数日後、その部屋で携帯電話を握った若い男の死体が発見されました。死亡推定時刻は14日の18時ごろ。21歳だったその男の死因は、老衰だったそうです。

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2002/02/12 (Tue) 世界で一番幸福な男の物語

 彼には、誰からも手紙が届きません。彼はそれを、便りなきはよいことと考え、気にしません。彼にはこれといった特技もありません。友達も多くありません。お金もあまり持っている方ではなくて、平凡を絵に描いたような人間でした。
 悪く言えば「つまらない人間」、良く言えば「いい人」、どっちかというと「悪くない人」でした。でも彼は自分に満足していました。
 幸せなモノの考え方ができることが、幸福なのかなぁ。

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2002/02/10 (Sun) アライブ2

 国境線の上に咲いた世界で一番綺麗な花を巡って、二つの国が戦争をしていました。花の周りにはご丁寧に地雷が埋められています。しばしの均衡を保った後、両国は本格的に殺し合いを始めました。もう国境線は見えませんでした。
 戦争を止めたのは、第三国の爆弾でした。
 喧嘩両成敗とでも言いたげに、両国ともに血を流しただけで戦争は終結を迎えました。爆弾を投入した国は、戦争を止めたとして世界中から賞賛されました。

 両国に平和が訪れました。そのころ、もう国境線には花はありませんでしたが、ボランティアの人々が地雷の撤去作業を始めました。幾人かの犠牲が出ました。そして、両国が国をあげて地雷の撤去を開始しました。もとは国境があった場所は、どこの国にも属さない、ただの荒野になりました。

 それから何度目かの春、どこの国のものでもないその荒野は、世界で一番綺麗な花が咲く花畑になっていました。その花を持っていこうとする人は多々現れましたが、その花の球根は、その場所でしか芽を出すことはありませんでした。

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2002/02/02 (Sat) 裸の王様

 その国の王様はサトラレでした。王様の考えることは国中の全ての人が知っています。しかし王様はとても素直で真面目だったため、人々は王様を愛していました。王様も人々のことを信じていました。大臣も将校も市民たちも、子供も老人も動物も泥棒も、みんな王様が大好きでした。あの王様は嘘をつかないから好きだ。嘘をついてもバレバレだから好きだ。誰もがそう思っていました。その国は平和でした。

 その隣の国の王様はサトリでした。王様は人々の考えることを全て知っています。そして王様はとても狡猾で思慮深かったため、誰も信じようとはしませんでした。その国の政治は王様一人で動いています。しかしその独裁的な政治は成功しており、その国もまた平和でした。

 あるとき、サトリ王がサトラレ王の国の領土を自分のものにしてしまおうと考えました。サトリ王がそのことを大臣将校に話すと、彼らは皆賛成しました。サトリ王はすぐに兵士を集めました。サトラレ王の耳にそのことが入ったときにはすでに、隣国は戦闘態勢を整えていました。

 そんなこんなで、戦争が始まりました。しかしサトラレ王の国は兵士を集めません。隣国の兵士は国境を越え、川を越え、町を進み、ついに城を囲みました。しかし王様は兵士を出そうとはしません。戦争のルールとして、一般市民には危害を加えない、というのがこの地方の取り決めだったため、今のところは血の一滴も流れてはいません。
 しばらくして、サトラレ王が城から出てきました。サトリ王は城の前に作ったテントから顔を出しています。あいつは何を考えているんだ。なぜ兵士を一匹も出そうとしないのだ。いや、それより。どうしてあいつの考えがわからないんだ。あいつの心の声が聞こえない。まさか、あいつも俺と同じように人の心がわかるのか。

 二人の王様はテントを一つ挟んで対峙しました。サトラレ王の考えは、こうです。隣国の王様は領土の奪い合いに来たのであって、人を殺しに来たのではない。ならば、国の代表同士の会見でそれを決定すればいい。兵士も市民も、傷つく義務は無い。
 サトラレ王の考えは、今や両国の誰もが知っています。ただ一人、サトリ王を除いて。
 サトリ王は人々の考えを読みました。そして、兵士たちにサトラレ王を殺すように命じました。兵士はサトリ王を殺しました。サトラレ王は、ただその様を見ていました。そして誰もいないテントに入り、にやりと笑いました。

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