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2004/07/24 (Sat) これもまた夢

 ただの過眠症だと思っていたけれど、もしかしたら違うのかも、と思い始めたのはつい今朝のことだ。
 昼間眠くて仕方がない。それは現実逃避したがる僕の身体が勝手にやっていることでしょうがないことだと思っていたのだが、眠ってみるとどうやら同じ夢を毎日見ていることに気付いた。その世界で僕は少し年若くて、困った人を助けるのが好きな好青年で、道に迷った外国人の道案内や何かをしていた。ほとんどカタコトの英語を使ってどうにかコミュニケーションをとる僕に、外国人も「ハッハッハ、気にするなボーイ、おまえはいいやつだ」みたいな対応で話を聞いてくれていた。
 そんなある日、一人の黒人男性が現れる。彼は大うそつきで僕の話も聞かないくせに妙に何かを隠したそぶりを見せ、しかもそれがバレバレだった。僕と友人ふたりは困り果て東京案内をやめようかと思っていると、そいつが実は凶悪殺人犯だったと分かった。これじゃまるで村上龍の『インザミソスープ』じゃないか、ひどい話だ、と思っていたところへ、次の外国人が訪れた。
 知り合いの刑事がたまたま同席していたので僕はちょっと席を外し、待ち合わせ場所のホテルのロビーへ戻ってきた。すると友人A(男)、友人B(女)、刑事(警部)の三人がワンボックスカーに拉致され、しかもそれを見せ付けるように僕が到着した時点で車は走り出した。
 数日後、友人のふたりは解放されたようで戻ってきた。どうやら何もなかったらしい。が、犯人の狙いはその刑事だった。拉致された刑事は殺されたという。犯人は僕が前にアテンドを務めた黒人とその後に現れた凶悪野郎が率いる外国人グループで、しかもそいつらは僕らのことを知り尽くしていた。家に帰れないということでホテルに部屋を取り、僕らはそこで拉致された刑事の後輩の新米刑事とともに話し合った。警察という機構は動いてくれない。僕らが解決するしかなかった。
 しかし、その隣の部屋では犯人グループがすでに僕らの居場所をチェックしていて、しかも部屋を借りていた。友人の女の子が拉致されて僕らは失敗に気付く。
 スワットみたいな最強装備の犯人グループを相手に、僕と友人と新米刑事がたった3人で戦いを挑むことに決めた。事件が起これば警察は動く。が、それでは彼女は帰ってこないだろう。全てを水面下で終わらせなければいけなかった。

 目覚めるとそこがどこなのか、ときどき思い出せなくなる。そこは僕の部屋で、みんみん五月蠅いセミの声が聞こえる暑苦しい部屋なのだ。扇風機も回っていない。シーツに沁み込んだ汗は暑さによるものだろうし、その夢によるものではない。僕はその夢の先を見るのが恐くてたまらなかった。眠りたくないと思っているのに身体が勝手に眠ってしまい、そして夢の中でまた凶悪な事件と立ち向かわなければいけなくなる。現実の僕の部屋の中でさえ、もしかしたらあいつらが潜んでいるのかも、隣で盗聴しているのかも、と疑いたくなってしまうほどだった。
 たぶん、しばらくすると僕にはどちらの世界が現実なのかが分からなくなってしまうのだろう。平凡で刺激も何もないこの日常なのか、それとも死とスリルと事件に溢れたあちらの日常なのか。もしかしたら両方が現実なのかもしれないし、両方が夢なのかもしれない。
 ただ、夢が醒める瞬間というのを知っている僕だから、どちらかが完全に夢の中の世界の出来事だ、と知ってしまった時の感情を想像すると、また僕は怖くなる。そしてたぶん、眠くなるんだろう。

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2004/07/20 (Tue) 夢

 自分が泣いている夢を見た。
 泣きながら、必死に走り回っていた。

 どこまでも続く下りエスカレーターを駆け下りながら、早くしなきゃと焦っていた。しばらく走っていると前方に幼い兄弟が何やら話して笑っているのが見えた。ええい、くそ! 急いでいるのに何を暢気に喋ってやがるんだこのガキは! …俺は苛立ちながら、その兄弟より3歩後ろに突っ立った。息は切れていなかった。
 すると急に一階の様子が見えてきて、降りるべきタイミングが迫ってきた。しかしエスカレーターには踊り場がなかった。このままではずっと下へ移動してしまう。これではダメだ。そのとき子供たちはひょいと飛び降りて外へ出てしまった。そうかその手があったか! 俺は感心し、ぎりぎりでエスカレーターを飛び降りる。出口は外の明かりで照らされ、明るかった。
 外に出るといきなり大通りだった。振り返ると、俺が今まで走っていた巨大なはずのビルは二階か三階建てのぼろいビルだった。偶然通りかかった若いサラリーマン風の男が、ここは廃墟だったんじゃなかったっけ、と呟く。俺はその男を知っているような気がして話しかけてみた。最初は違うと言っていた男も、幼い兄弟が話していた内容を告げてやると俺を見る目が変わった。兄弟のどちらかは分からないが、その男は兄弟が成長した姿だった。
 人込みの中、歩きながら俺たちは話した。しかし思い出話を語っている暇などないことは分かっていた。ぶしつけですまないが、お金を貸してくれないか。俺は言った。男は断った。俺は男の道を塞いでまで懇願した。少しでいい、少しでいいんだ。
 やがて男は諦めたかのように金を出し、連絡先を教えた。絶対返すからな、と俺は金をしまって走り出す。そのとき、思い出した。忘れていたことさえ不思議なくらいだった。
 そこに見える人たち…俺とは違う方向へ足早に歩いていく人たちは、俺が過去に出会った人たちだったのだ。幼馴染、同級生、ただの知り合い、先輩、後輩、先生、たくさんの知った顔たちだった。たぶん俺は、みんなに話せば僅かながらでも協力の金を得ることができたと思う。けれど、それはできなかった。名前も忘れた男から借り受けたわずかばかりの金が俺の全てだった。ポケットを探って確かめる。一握りの小銭だった。

 そのとき俺が思ったのは、古い漫画の一場面だった。今まで通り過ぎてきた人たち、過去の仲間たち、俺の知った人たち全員が登場するシーンだ。それはクライマックス直前で、全員が協力して1つの思いに突き動かされて最後の戦いに備える場面なのだけれど、今の俺には倒すべき大魔王みたいなのがいないのに、どうして皆が出てきたのだろうという疑問だった。
 しばらく走って、ふと気付く。
 ――戦うべきは、ここにある全てだ、と。
 俺を取り巻く全ての現実と戦わなきゃいけない。小銭しか持っていないとしてもだ。

 そう思ったとき、目が覚めた。夢の中ではぼろぼろ涙を流していた俺だけれど、最近は…というかずっと、めっきり涙なんて流しちゃいないな。
 現実が敵なら、戦わなきゃいけない。夢が醒めた俺も、そう思った。

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2004/07/15 (Thu) 夜回り探偵

 若者が突っ走ろうとしている「ダメの道」。そこに警告を出しても誰も受け取らない。たとえばメールでも、知らない人からの受信では内容を見ずに消すことがほとんどである。電話も繋がらないし、かといって実際に会って話をする段にいたってはお話にもならない。
 自分の自慢話から始まり、過去の恋愛、体験、法に触れたことを得意げに言ってみたり、人を馬鹿にしたり、そのくせ自分の将来は不安でたまらないと云う。

 今つるんでる仲間が3年先5年先もずっと仲間と呼び合える自信がない。

 夜の街に座り込むグループの中にいても、いつ誰がその輪を飛び出して社会人として生きていくか分からない。そうなると飛び出た彼は仲間ではなくなり、むしろ敵となる。なぜなら、彼は大人になる道を選んだからだ。
 いつまでも仲間とつるんで馬鹿話をしていたい、そう思うのはもっともである。しかし、いつまでもそうしているわけにはいかないのだ。明示されていないだけで、タイムリミットは確実にある。気付かない人が多いけれど、振り返ってみればそれがいつだったのかわかる。いつまでも子供ではいられないのだ。
 大人にならなければいけない瞬間がある。しかもそれは、自ら選ばなければいつになっても気付かない。ただ1つ救いがあるとすれば、遅すぎることはない、ということだろうか。

 前回、社会の真ん中で死んでいく若者たちについて少し触れたが、彼らは死んでいくのではない。殺されていくのだ。大人になる気、働く気があったとしても、大人たちは彼らを認めない。よって、彼らは子供をやめる決意をしたにも関わらず大人になれないままなのだ。そうなると決意や衝動はどこへ行くか。簡単である。
 死、だ。

 好きなことを仕事にしたい、と若者は云う。それは、好きなことをする自分を好きになりたいからである。そして好きなことを探すことはつまり自分を探すこととなり、就職難にあえぐ若者たちは結局、明確な自分を探しているとも言えるだろう。
 仕事をすることを自分らしさ、と位置づけることによって、大人たちには見られない「個性」を出そうとしているのだ。それは悪いことではなく、むしろ賞賛されるべきことだ。殺人事件の被害者達は、最期まで自分が生きる意味を探し続けるというわけだ。


 助けて欲しい、救って欲しい、手伝って欲しい、答えを教えて欲しい、どうやって生きていけばいいか分からない、好きなことが分からない、他人とどう付き合っていけばいいか分からない、仕事をしなければいけないのは分かっているけどするのが怖い、人が怖い、全てが怖い、でも誰も傷つけられないから、そんな資格がないから、だから自分を傷つける。

 社会が生んだ殺人事件は、二次被害者として自殺者をさえ出し続けている。
 この問題に真正面から取り組んでいくのが、俺の仕事であり、使命である…と思う。
 俺自身が「明確な自己」を持っているかと問われれば、答えに悩むのだけれど。

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2004/07/11 (Sun) 即行落とされたプロット

 彼は不倫をしている。毎日やむことのないメールと電話がその証拠なのだ。間違いない。だから私は事実を知りたいと思った。その結果、私たちの間にとんでもない亀裂が入ったとしても構わなかった。覚悟はできていたし、準備もあった。
 彼が眠っている間に携帯をチェックする。しかしメールにはパスワードがかかっていて、私では見ることができなかった。こんなことをするなんて、よっぽど見られたくないメールを交わしているに違いない。しかし発着信履歴を見ればいい。グループ「会社」の人がやはり多いけれど、「友達」「その他」「機関」、いろいろなグループのいろいろな人に電話をかけたりかけられたりしている。その中で特に怪しいのは、彼からかける場合だ。よって発信履歴を見ればいい。名前は全員男の名前だけれど、偽って登録しているに違いない。この「山田」とか云う男も怪しいけれど…前回発信が一昨日の午前9時。仕事中だ。では「伊藤」は? 前回発信が昨日の午後3時、その前が昨日の午前11時。感覚が近い…これは怪しい。では「本田」は? 午後5時、その前が一週間前。これはないな。
 そんな感じで頻繁に電話をかけたりかけられたりしている相手を探す。
 「田中次郎太」。こんな名前の人がいるわけがない。しかし履歴ではかなりこの人にかけている回数が多い。この人でほぼ間違いはないだろう。

 と、そのとき、私の携帯がなった。非通知設定。私は「はい」と出る。「ええ、大丈夫。怪しい人は見つかったわ。あとはこの人が誰かを見つけるだけね…ええ、そうよ。まかせて。ちゃんと離婚に持っていって慰謝料もたっぷりいただくわ。待ってて」
 そう。私も不倫をしているのだ。しかしここは私が隠し、彼の浮気を暴いて慰謝料をせしめて離婚、そして私は新しい彼との生活をスタートするという計画だ。私はバレてはいけない。

(中略)

 そして私は彼の浮気を暴き、見事に慰謝料を勝ち取った。幸い、お金持ちだった彼はたいした額ではないと言って一括で払ってくれた。計画完了。最後に互いの番号を消し、離婚届を出し、そして私たちは別れた。
 とはいえ、夫婦をしていた仲だ。番号を消したとしても、数字自体を覚えているだろう。だから私はまた彼、つまり元夫の番号を登録する。やつからかかってくれば拒否するだけ。いまさら私に何を云っても無駄よ、という意味だ。
 同時に私は非通知拒否設定を確認する。ずっと以前からそうだ。知らない番号からの電話には出ないほうがいいに決まっているから。

 …「非通知設定」という名前で登録してある、今の彼の名前をもとにもどさなきゃ。

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