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2005/06/28 (Tue) 続いている歌

 干してあるシャツがはためいて、夏の匂いの風が部屋を通り抜けて、ぜんぜん知らない洋楽を延々と流すラジオが小さく聞こえて、ひとりで「おはよう」の代わりに何か歌ってみる。そうやって目覚めれば何かが変わると思った。いつも思う…わたしは、”何”を”どう”変えたいのだろう。
 ジレンマだ。
 変わることを望んで、変わらない日々を願って、変われない自分を恨む。それが朝、昼、晩いつも順々に巡ってきて、結局何もできないままで今日が終わる。
 ねえ。どうして「早く休みになれ」なんて思うの?
 休みたいから…違うかな。”何か”をしたいから、かな。
 でも結局、土曜は部屋の片づけをしているうちに夕方になっちゃうし日曜は次の日のことを考えると億劫になるし、結局わたしは休めていない。
 自由になりたい、と歌うのだ。
 朝、歌う。それだけがわたしの言葉…だったはず。わかんない。
「早くしなきゃ、早く変わらなきゃ」
 わたしは思う。
「いつまでもこんな日が続けばいいな」
 わたしは思う。


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2005/06/22 (Wed) ドッジボール

 敵と対峙し、ボールを投げる。思いっきり。力いっぱい。敵にぶつけて、コートから追い出すためだ。コートから一人もいなくなったらわたしたちの勝ち。わたしたちのコートに一人もいなくなったら負け。
 …負けらんない。
「キャー!」とか言いながらまた一人、わたしたちの”仲間”がボールを受けきれず、吹っ飛んだ。敵も真剣。にやにや笑ってなんかいない。わたしはぐい、と唇を噛んで膝のサポーターを押して確かめて、また腰を低くする。どっからでも掛かってきなさい。わたしは負けない。
 不毛なぶつけ合いは続く。
 コートから出された”仲間”は、敵を挟んで向こう側に移る。向こうで流れ玉を拾って敵にぶつければ、入れ違いに戻ってこれる。だから、あっちに行っちゃってもまだ負けじゃない。
「最後のひとりが負けるまで、だれひとり負けじゃない」

 けれど、わたしは苦しむ。
 ”わたし”というコートで、主導権を争う沢山の”わたし”。嫌なわたし、好きなわたし、弱いわたし、強いわたし、過去のわたし、未来のわたし、それを眺めるわたしに、指示を出すわたし。
 負けそうになるときがある。
 苦しすぎて、最後のひとりまでがくじけそうになるときがある。
 そんなとき、”わたし”がみんなで叫ぶ。
 だから、わたしは一人じゃない。みんなで戦うのだ。内輪もめしてちゃ、このゲームには絶対に勝てない。
 勝った先に何があるかは知らないし、負けた後で何を失うかも知らない。けれどそんなことは関係なかった。今を全力で生きることは、たくさんんの”わたし”を認めること。
 そしてそれは、わたしが笑顔になれること。

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2005/06/20 (Mon) 夢追い人

 ――叶わねぇ叶わねぇって、オマエの夢ってなんだよ!?
 って誰に言われたか分からないが、そんな言葉がチュドーンと響いて、飛び起きた。午前5時。あと2時間くらい眠れるじゃないか…寝さしてよ…うーんゴロゴロ。しかし眠れない。あれ? なんだこれ…なんかドキドキして眠れないじゃないか。夢? 叶わない? そんなこと、もうどうでもいいんだ。貯金がなくちゃ生きていけないだろうが。まずはカネを貯めること。それが一番…うーんゴロゴロ。
 …やはり眠れない。あれ、なんで? オマエの夢ってなんだよって? そんなの決まってるじゃん…アレだよアレ。でも実現するには物凄い苦労しなきゃいけないんだ…だからあと2時間寝させて…うーんゴロゴロ。眠いっていうか瞼重いし…眠れるかな…
 ――忘れてるんだろ、本当は。オマエの夢を。
 うーんうるせぇなぁ。俺の夢? 俺の夢ね。はいはい。忘れてるわけが…
 あれ。
 なんだっけ。貯金だっけ。
 叶わないんじゃなくて、そもそもなくなってた…の…かな。
 むくり起き上がってテレビをつけた。いつものアナがいつものつまらないニュースを読み上げ、当たり障りのないコメントを付け加える。なんだよこれ。こんな毎日じゃ、夢もなくなるよ。
 貯金…そう、貯金だ。それは大事だ。
 ふと思う。もしかして俺、大人になって堅実に生きることをクレバーだとか思ってたのか? だとしたらそれは、あの頃”自分”で考えた行為からの完全な逃避じゃないか。毎日会社行って、ノルマこなして、月末になったら仕事の有無に関わらず一定額のしょぼい給料が入って、その多少に一喜一憂して…
 なあ、なんか小っちぇえなぁ。どうして? 失うものがあるから? 失えないから?
 …それってなんだよ。大人の恋愛して、大人の生き方きどって、堅実に貯金して、自分を殺して、酒飲んで忘れたフリして。
 全然。ぜんっぜんダメだよ。夢にドキドキしてた方が、駆け引きだらけの恋愛より熱いじゃないか。なぁ。ほら、ちょうど夏だし…もっかいやってみないか? 俺。今日はちょっと早起きしてさ。

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2005/06/12 (Sun) ふるさと

 数年ぶりに帰ってきた、学生時代に暮らしていた街。またこの街で生活を始められるとは思っていなかった。変わらない本屋、店員も同じコンビニ、駅前のマック、火曜に特売をするスーパー、緩く長い坂道。
 駅前は10階建てくらいのマンションが出来ていたけれど、他は変わりなかった。あの頃のままだ。
 青春のど真ん中の何年かを過ごしたこの街は、僕の心のふるさとと云っても過言ではなかった。就職して、各地を転々とさせられて、”新人”じゃなくなった僕が落ち着いたのは、希望通りのこの懐かしい街だった。この街をこれから車で移動して、あの頃は知らなかったショップやメーカーや小さい企業を回るのだ。それってすごくドキドキすることじゃないか? なあおい、俺。
「またよろしくな」
 駅は小高い場所にあり、坂道とともに広がる街を見下ろす。
 懐かしい夕焼けと、懐かしい通り雨。全てがあの頃のままだ。
 もう一度この街で始めたら、青春が蘇るだろうか? ふと思う。淡い恋や、馬鹿な友情や、小さな幸せや、早朝のジョギングや、名物のお爺さんまで。あの頃と同じように僕を迎え入れてくれるだろうか?
「ふるさとか」
 呟いて、帰路に着く。これから僕が住むのはあの頃のアパートではない。駅を挟んで反対側にある、ワンルームマンションだ。坂を下りながら懐かしい日々を思い出す。
 …けれど、何か違う。
 あれ? この街は、僕のふるさとのはず。デジャブではない。どうしてこんな違和感が?
 ――その答えは、新しい部屋に着いてすぐに、唐突に僕にのしかかった。
「そうだ、ここには」つい口が滑る。「俺しかいない」
 僕が思うふるさとは、場所じゃなく、遠い恋とともにすごしたあの人だった。
 思い出して、涙をこぼした。
 懐かしい居酒屋で飲もうと思っていたけれど、知らない店にしよう。僕はもう、あの時とは違う。それを、認めざるを得ない…大人になってしまったことを。

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2005/06/09 (Thu) make me smile

 こう休みが続くとダメになる。とはよく言ったもので、最大10連休らしい今年のゴールデンウィークとやらは俺にとっては普通に1日しか休みがないのだ。だが流行りに流されてみるのも悪くない。しかし休みだからといってどこかへ出かけるのはアホだ。それこそ条件反射じゃねーか。ならば俺が大切な休みを費やすべきは何なのか。答えは1つ。前から思っていたことだ。まさに今がチャンス!
 日帰りで電車の旅。もうこれしかないね。
 しかしどの駅にも降りない。乗る駅と降りる駅は同じ、最初の駅だけだ。流れていく景色をなんとなく見ながら、俺は俺と会話する。それが大事な1日をはるかに大きなものにしてくれるだろう。
 自分の心と会話するのは、日常ではなかなか難しい。ともすれば絶望を歌う女神がまたひょっこり顔を出しては俺のエッジに立って狂ったように踊り始める。ナイスなのは登山とかランニングマシーンだ。何も思い浮かばず、それでいて頑張る…そういう状況が望ましい。が、選んだのは電車だ。
 田舎の方に向かってとりあえず進む。人が多いところでは考えるもへったくれもないのでダメだ。サイクリングとかもよかったかなー、などと思う。
 自分自身と真摯に向き合うなんて、簡単なようで日常的なようで意外と難しいものだったりする。普段ならちょっと考えるだけで「無理だ」「ダメだ」「でもまあいいか」「そんなもんだろう」「まあいいや、どうせ明日は来るし」とかで終わってしまう。その先の先へ行かなければいけないのだ。
 将来のこと、今のこと、過去のこと、他人のこと。
 人のこと。自然のこと。美しいもの。過去。過去。過去。昔好きだった人。
 たとえば5年後・10年後。おっさんになったときのこと。
 とりあえずしなければいけないこと。
 今のこと。
 できること。したいこと。どうしようもないこと。
「このままでいいのか?」
 どんな自問を繰り返しても、結局はこの一言に辿り着いてしまう。たぶんそれは、今の俺にこの言葉が一番必要だからだろう。
「このままでいいのか?」
 ――”このまま”を越えてやる。俺は先へ行く。
「そのためには何が必要だ? 誰が必要だ? 何を誰を犠牲にしなければいけない?」
「犠牲…」
 過去に傷つけてきた人を思う。俺と関わったばっかりに人生を汚してしまった人はいなかっただろうか。罪深さは悔やんでも先へ進めない。必要なのは、今必要なのは――

 気付けばもう夕方で、いいかげん乗り換えて戻らなければいけないような場所で。
 電車を降りて初めて気付いたその駅は、街灯のひとつもない無人駅だった。
 ゲコゲコゲコ…どこからかカエルの声が聞こえる。果てしなく響いている。柔らかい風が俺を撫でる。今の俺が必要なもの・ことは何だろう。一日中考えたが、答えは出ない。それとも、それが答えなのだろうか? ここでヘラッと力なく笑って「そういうもんだ」なんて言ってしまったらたぶん俺は変わらない。
「あ…」
 変わらない?
 それは、俺が”変わる”ことが必要なのだということの裏返しではないか。
 自分が変わること。それは言い方を変えれば世界を変えることだ。
 思えば過去のことばかり考えて記憶を美しいものに変えて、昔の綺麗だった自分と綺麗な思い出の中で笑っていた。でも、それではいけないのだ。古い歌も聞こえてくる。どこからだ。俺の胸の中からか。
 まだ終われない。一人だから思うのだ。誰かがいてくれたら、俺はきっと弱くなってしまう。
 今の俺に必要なのは、一人で頑張りぬくこと、だ。
 一言も誰とも話していない今日のことを考えた。それでもいい。俺はいっぱい話した。
「ついてこい。行くぞ」
 俺は”俺”にそう言い、帰りの電車に乗り込む。

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2005/06/08 (Wed) あいこちゃん

 席替えをしてもなぜか毎回一番後ろの席になってしまう女子がいる。
 昼メシの時間もいつも一人でパンをもそもそ食べるだけですぐに済ませてしまって、休み時間もずっと本ばっかり読んでいる。本の虫がなんたら、っていう英語の構文を授業で覚えさせられたが、彼女はまさにそれだった。というより、本が恋人とか友達とか、って感じよりもむしろ本が彼女の一部なんじゃないか、ってくらい読んでいた。しかも2、3日で違う本に変わっている。この前ちらりと見えた表紙は時代小説だった。
 へー、そういうの読むんだ。けっこうカタい本が好きなんだ? って話しかけたことがあったが、「別に」の一言で斬りおとされてそのまんまだ。それ以外にも何度か話しかけたことがあったが彼女の返事はいつも一言で、しかも素っ気なかった。
 ある日、たまたま帰り道で出会った。放課後も教室で読んでいるのだろう、部活帰りの僕と同じ時間だった。いつもこのくらいの時間なのかと訊ねると「そうよ」の一言だけが返ってきた。
「きみはいつも一人でいるよね」
 軽くジャブから、と思って話を繋げた。彼女は何も言わずにちらりと僕を見て、すぐまた視線を前に戻した。さすがに歩きながらは本を読まないらしい。
「ケイタイ持ってないの?」
「ないわ」
「どうして。面白いし便利だよ」
「…あなた、そのお金自分で払ってるの?」
「いや親が払ってくれてるよ。毎月1万までね。それ越えたら自分で出すけど」
「そう」
 何かまずいことを言っただろうか。なんだか歩くスピードが上がった。逃げようとしているのだろうか?
「ひとりが好きなのかな。まあ俺もつるむのはあんまり好きじゃないんだけど」
「そう」
「そういやぁさ、クラスの鈴木ってさ、ちょっと変なんだよー。なあ知ってる?」
「知る知らない以前に興味ないわ」
「もしかして俺のこと避けてる?」思い切って聞いてみた。
「別に」
「なんでそんなに素っ気ないの? 俺の話つまんないかな。きみだって一人でいてもつまんないだろう? 本ばっかりでさあ。そんなんじゃ楽しくないぜ。恋愛とかさあ。したいと思わないのか?」
 彼女はちらりとも僕の方を見ない。僕は続ける。「一人でいて何が楽しいんだ?」
「一人ではないわ」
「え?」妖精が見えるとでも言うつもりか?
「あなたは一人じゃないの? いつどこに居てもあなたは誰かを感じているの?」
「いや…」彼女もいないし。「そうではないけど」
「じゃああなたも一人でしょう?」
「でも俺は友達もいっぱいいるし」
「いるから何? 何か意味あるの? いつまでもその友達は続くの?」
「いや…わかんねぇけど楽しいじゃん。友達といたらさ」
「あなたも一人。わたしも一人。今こうして信号待ちしてる全員が一人。みんな一人なの。一人で生まれて一人で死んでいくの。誰かと本当に分かり合うなんて不可能よ。誰もが違う人だから」
「そんなことあるかよ。恋人が出来れば分かり合えるだろうが」
「それはどうかしら」
「たぶんそうだと思うよ。恋愛は楽しいし。その人のこと考えるだけで楽しくなったりすんだよ」
 …ちょうど今、俺が楽しいのと同じように、だ。
「そう」
 彼女はやっぱり冷たい。俺には気がないということか…
「みんな一人なの」
 交差点で、彼女は右に曲がった。俺は真っ直ぐ進む。
「でも」無言で別れた俺に、足を止めた彼女が振り向いて言った。「だからわたしもあなたも独りではないわ」その一言だけを残し、すたすたと歩いて行ってしまった。
 …インテリなのかな。
 彼女の言わんとしていることが分からない。俺も少し本でも読んでから出直そうかな、と思った。

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2005/06/02 (Thu) ジェットコースター

 僕は今、っていうかいつの間にか、っていうか気が付くと、とんでもないスピードで暴走し続けるジェットコースターに乗っていた。右の席には兄が、左の席には姉が、笑いながら僕を見ていた。
「よぉ! やっと気付いたか? お前はいっつも寝てるからなぁー」
 ガハハと笑って兄が軽く背を叩く。びゅん、と何かが僕の頭の上を通り過ぎた。背を叩かれて伏せてなかったら直撃だった。そこで気付く。僕の前にあるのは…ハンドルだ。ジェットコースターにハンドル? っていうかこれ…
「っていうかこれトロッコじゃねーか!」
 席は3つ。乗ってるのは僕らだけ。レールの先が見えない暴走トロッコ。ハンドルを握るのは僕だ。
「そうよ。あなたが好きに運転すればいいわ」
 姉さんは涼しい顔で僕に微笑み、後ろの方を見た。
「これ…どこに向かってんの? どっち行きゃいいの?」
 ぎょうんぎょうんぎょうん! なんかよく分からないけど凄い音で通り過ぎていく。知ったような景色があった気がしたけれど分からない。気を抜くとすぐに虫や鳥や木の枝が顔面に直撃する!
「ほーら、もうすぐ分岐点だぁ。右か左か真っ直ぐか、どうする?」
 兄はいつも僕を見ない。こちらを見ているようでずっと遠くを見ている目をしていた。
 …迷っているうちに分岐点は過ぎた。トロッコは真っ直ぐ進む。
「あーあ。選択しなかったのかよ。あっちの道も面白そうだけどなぁ」
「何言ってるの。すぐまた次の分岐点よ。ほら、しっかり。大丈夫?」
 優しい姉に背中をさすられ、少し酔いが醒めた気がする。けれど…まだよく分からない。
「教えてやろうか」兄が不敵に笑う。「この道はな、何もしなくても先へ進めるが、それはいつも一番悪い道なんだぜ。ゴールに一番遠い道さ。結果はどうあれ、右か左か真ん中か、自分で選んで進みな」
 よく見ると兄は身を乗り出している。っていうか足をかけてまるでサーフィンのような体勢だ。
「あら、たまには気が会うのね」
 姉さんもいつの間にか安全具を外して席の上に座っている。相変わらず後ろを見たまま。美しすぎる髪が暴走でなびく。

「自分で選択した道…」
 僕、トゥデイマンはいつも迷う。優しい姉、ミス・イエスタデイと奔放な兄、ミスタートゥモローを乗せてトロッコは果てしなく暴走していく。途中、他のトロッコが見えた。道の真ん中で大破しているのもあれば、歌いながら進んでいるのもあったし、とろとろ進みながら、それでも選択できないようなのもいた。
 道は続いていく。選ばなくても、先へ進んでしまう。僕らの旅はつまり。

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