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2002/02/02 (Sat) 裸の王様

 その国の王様はサトラレでした。王様の考えることは国中の全ての人が知っています。しかし王様はとても素直で真面目だったため、人々は王様を愛していました。王様も人々のことを信じていました。大臣も将校も市民たちも、子供も老人も動物も泥棒も、みんな王様が大好きでした。あの王様は嘘をつかないから好きだ。嘘をついてもバレバレだから好きだ。誰もがそう思っていました。その国は平和でした。

 その隣の国の王様はサトリでした。王様は人々の考えることを全て知っています。そして王様はとても狡猾で思慮深かったため、誰も信じようとはしませんでした。その国の政治は王様一人で動いています。しかしその独裁的な政治は成功しており、その国もまた平和でした。

 あるとき、サトリ王がサトラレ王の国の領土を自分のものにしてしまおうと考えました。サトリ王がそのことを大臣将校に話すと、彼らは皆賛成しました。サトリ王はすぐに兵士を集めました。サトラレ王の耳にそのことが入ったときにはすでに、隣国は戦闘態勢を整えていました。

 そんなこんなで、戦争が始まりました。しかしサトラレ王の国は兵士を集めません。隣国の兵士は国境を越え、川を越え、町を進み、ついに城を囲みました。しかし王様は兵士を出そうとはしません。戦争のルールとして、一般市民には危害を加えない、というのがこの地方の取り決めだったため、今のところは血の一滴も流れてはいません。
 しばらくして、サトラレ王が城から出てきました。サトリ王は城の前に作ったテントから顔を出しています。あいつは何を考えているんだ。なぜ兵士を一匹も出そうとしないのだ。いや、それより。どうしてあいつの考えがわからないんだ。あいつの心の声が聞こえない。まさか、あいつも俺と同じように人の心がわかるのか。

 二人の王様はテントを一つ挟んで対峙しました。サトラレ王の考えは、こうです。隣国の王様は領土の奪い合いに来たのであって、人を殺しに来たのではない。ならば、国の代表同士の会見でそれを決定すればいい。兵士も市民も、傷つく義務は無い。
 サトラレ王の考えは、今や両国の誰もが知っています。ただ一人、サトリ王を除いて。
 サトリ王は人々の考えを読みました。そして、兵士たちにサトラレ王を殺すように命じました。兵士はサトリ王を殺しました。サトラレ王は、ただその様を見ていました。そして誰もいないテントに入り、にやりと笑いました。

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