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2001/07/18 (Wed) 天は人を平等に作ったから

 少年は、野球が大好きで。
 夜明けと共に目を覚まし、ジョギングをし、朝食を食べ、学校に行き、夜遅くまでクラブ活動に勤しみ、帰ってきてから両親に今日あったことを話し、疲れた父親とキャッチボールをする。父親は車のライトを点け、バッテリーが上がらないかヒヤヒヤしながらも、小一時間のキャッチボールを日課として楽しんだ。
 少年が四年生のとき、車のライトが不意に切れた。父親はボールを受け損ない、頭にぶつけてしまった。それが原因で父親の体は思い通りには動かなくなった。そして親子はキャッチボールをしなくなった。
 少年は自分を責めながらも、毎日壁に向かってボールを投げ続けた。
 やがて少年も高校生になり、甲子園を目指すようになった。ポジションはピッチャーで、父親のために、チームのために、そして自身のために優勝を誓った。しかし県大会準決勝で、少年のチームは敗退した。
 そして少年は一度も甲子園に行くことのないままに高校を卒業し、とりあえず大学に進学した。それから数年。かつて背負ったものを未だに引きずりながらも、少年は退屈な毎日を過ごしていた。漫画やドラマなら少年はプロの選手になっているはずだった。部屋に飾ってある古い軟式のボールが、いつも少年にプレッシャーを与え続けた。
 現実は、少年にとっていつも退屈で。それでも少年は、野球が大好きで。

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