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2002/02/15 (Fri) ライトホラー「自分電話」

 駅裏の怪しい露店の怪しい老婆から怪しい水晶占いをしてもらってオプションで買わされた携帯電話が鳴りました。発信元は通知不可能と書いてあります。僕はそれを取りました。
「…もしもし」
向こうではサー…という軽いノイズと、濡れた道を走る車の音が聞こえます。道路かどこかから掛けてきているようです。
「もしもし?誰ですか?」
「俺だよ」
「ひょえっ」
その人は不思議な声で俺だよと言いました。なぜかその言葉は僕の頭の中に響きました。
「俺って誰ですか」
「俺だってば」
「俺?」
「俺だよ」
「俺なの?」
「そう。俺」
「俺かぁ」
「俺だよ」
「どこの俺だって?」
「どこじゃない。いつの俺か、だ」
「いつ?」
「そう。いつか。それが重要だ。ちなみに俺は10分後のお前だ」
僕はすかさず時計を見ました。18時5分でした。
「お前が俺なのか」
「そう。俺はお前だ」
そんな、意味不明な会話をしたところで電話は切れました。なんだったんだろうと思い着信履歴を見ると、数字が書いてあります。しかし明らかに電話番号ではありません。
 20030413181415。
 14桁の数字です。それが何を意味しているのかは、なぜか直感的に理解できました。その数字の通りです。2003年4月13日18時14分15秒、の、自分から掛かってきたのです。多分。多分ね。時計を見ると18時10分です。試しに僕は20040413123000と打って掛けてみました。
 プルルルル。プルルルル。
「もしもし」
「もしもし?」
またも不思議な声の男が出ました。それを不思議だと感じたのは、きっと自分の声だからなのでしょう。
「もしもし…俺ですか」
「ああ、俺か。初めての電話だろ」
「あ、はい」
「まあまあ、使い方は分かったな?今俺忙しいんだ。きっとお前ももうすぐ忙しくなるよ。じゃあ切るよ。他の俺にも掛けてみろ」
 電話は切れました。僕はちょっとコンビニへ行こうと思い部屋を出ました。外はいつのまにか雨が降っています。そこで少しひらめいて、僕はある番号へ電話を掛けてみました。
 プルルルル。プルルルル。
「…もしもし」
相手はすぐに取ってくれました。
「もしもし?誰ですか?」
「俺だよ」
「ひょえっ」

***

 数日後、その部屋で携帯電話を握った若い男の死体が発見されました。死亡推定時刻は14日の18時ごろ。21歳だったその男の死因は、老衰だったそうです。

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