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2002/03/27 (Wed) 深海

 徴兵制度がこの国で始まって、今年はついに僕らの番だ。一個上の先輩たちは去年、行ってしまった。3年間の兵役……軍隊生活。その間は学校とか職場でも休みとして扱われるから戻ってきた時の生活は今のままではあるけれど、自分が変わってしまうこと以上に、変わってしまうものがある。
 彼女と3年間会えないということ。電話や手紙はできても、面会さえ許されない。それが兵役。「待ってる」なんて言葉は、この3年間に限り何の役にも立たないのだ。
 僕が人殺しの練習をしている間に、彼女はいろんな経験を積んで、もっと優しくなってもっと綺麗になって、そして僕よりもっと彼女にふさわしい人のもとへと行ってしまうのだろう。
 その全ては、偉大なる将軍様とやらのためだ。どうしてこの社会システムに誰も疑問を持たない? ここに欺瞞が生まれない? どうして丸々と太ったエロい中年のために、自らの命を捧げる練習をしなければいけないんだ? 僕らを助けると言ってくれる外国の人たちを殺す練習をしなければいけないんだ?
 彼女もまたあの将軍様とやらのために着飾り化粧をし、艶やかな踊りと歌の練習をして、そして……
 かつて団結して一揆を起こそうとした軍隊がいたらしいが、彼らは正規軍によって一族もろとも虐殺されてしまった。公開処刑だ。だから、もっと大きな力がいるんだ。この国を変えるための決起には、もっと沢山の協力と沢山の力がいる。
 外国ではこのような状況をどう報じているだろう? 僕らのような底辺の反乱を待ち望んでいるだろうか? いつか僕らが決起したときに協力してくれるだろうか? それとも、将軍野郎やその周辺、あるいは貧困の街を映すだけで哀れんでいるだけなのだろうか?
 だから僕らは兵役に行くことを拒否しない。だって、国からお金を出してもらって人を殺せる練習ができるんだ。
 あのてっぺん野郎を殺す練習を、てっぺん野郎の金で、できるんだ。

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