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2002/09/03 (Tue) KI SE KI

 ある日、渋谷に行ったら、駅前にいる人がみんな止まってるんです。てんでバラバラに立っているくせに、誰もその場から歩こうとしない。こりゃどうしたことかと思ってそこにいた若者に聞いたら、「奇跡が起こるんだって」と濁った目をテラテラ輝かせながらそう言うもんだから、私も適当な場所に立ってみることにしたんです。
 立ったまましばらくすると、人が少しだけ動き始めました。どこかに行くのか、それとも終わったのかと思っていたら、みんなが隣の人と手を繋ぎ始めました。仕方がないので私も、手提げカバンを地面に置いて左右の知らない人と手を繋ぎました。そしたら今度は誰からともなくみんなが空を見上げ始めました。奇跡は空から落ちてくるのでしょうか。
 そして、見上げたまま手を繋ぎ、無言のままたっぷり5分が経ちました。
 一人二人と愚痴りながら帰っていきます。次第に繋がれた手ははずれ、それぞれが思い思いの方向へ歩き始めました。
 あーあ。奇跡なんて起きなかったじゃないか。
 私もそう思い、足早にその場から立ち去りました。

 でも、帰ってから気付きました。渋谷の時間を止めるという奇跡は、もう、起こっていたんだと。そう思ったとき、奇跡に対する畏敬の念と、そして明日に対する純粋な希望がジワジワと沸いてきました。

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