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2001/07/26 (Thu) ブログ者

「ねえ」
「ん?」
「テキストサイトって知ってる?」
 僕は息が詰まりそうになった。そして、全身の毛穴から汗が吹き出るような感覚の中、自分を落ち着かせた。
「ああ、知ってるけど」
 知ってるもなにも、僕も一応はTSOなのだ。身内バレほど悲しいものはない。
「そっかー。アタシも最近知ったんだけどね。なんだっけ。サムライ?とか、面白いよね」
なんだ、その程度か…と、僕は安心してコップの麦茶を飲み干す。
「でもさ。アタシもいくつかホームページ見てまわってさ、ちょっと君のこと思い出したんだ」
「何で?」
 目の前にいるのは幼馴染み。彼女ではなく、友達。互いに大人になっていく中で、心にあるものを言ってはいけないような雰囲気がずっと続いていた。だから今日も僕の部屋で麦茶とかを飲みながら雑誌を読んでいる。深夜になるとまた振った振られたという話になるのだろう。
「覚えてるかな。小学校2年のとき。帰りの会で、先生から『じゆうちょう』を渡されて」
「ん…?どうだったかな」
「みんな最初の1ページから綺麗に使って、でも落書きみたいなのばっかり書いてたんだけど、君は違ったんだ。なんか覚えてるんだけどね」
「忘れたよ。そんな昔のこと」
「次の日、40ページ全部を使って物語を書いてきたよね」
「そうだっけ」
「そうだよ。どんな話か忘れたけど、友達を登場人物にした、変な話だった」
「やめろよ。そんなダルい話…」
「でね。テキストサイト。趣味でしかないとしても、本が大好きな君だから、もしかしたら知ってるかなーって思って」
 僕はフフッと鼻で笑って、本棚に無造作に積んである小説の山に目をやった。
「だけど現実は趣味だけで生きてはいけないんだ。分かってるだろ」
「うん。だから二人とも社会人になってもこうして…この部屋で扇風機に当たってるんだよね」
その言葉には色んな意味が含まれてそうだったけど、僕には分からなかった。
 そしてしばらくして、テレビを見ていた彼女がいきなりこっちを見た。
「思い出したよ。そのお話のタイトル。一番最後のページに書かれてた」
「え、俺がガキの頃書いたってやつが?」
「そう。たしか…」
 そこから先は僕が言った。
「ジャム、だろ」
「えっ、あっ、うん。覚えてたんだ」
 そんなところに僕の原点があったのだろうか。
「何でジャムなの?ハチミツとかでもよかったんじゃん?」
 僕はまたフフッと鼻で笑って、本棚に無造作に積んである小説に目をやった。
(ホントは理由なんてねぇよ…)

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