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2002/12/10 (Tue) 帰ってきた幸福屋

 駅前でティッシュを配っていた男が、わたしの前に来てハンカチを出した。妙にニコニコしていた顔がムカついた。ハンカチも配っているのだろうか。
「泣きべそかいてちゃ、可愛い顔が台無しですよ!」
男はそう言ってにこやかにその場を後にして、また持ち場に戻ってティッシュを配り始めた。

 夕方、待ち合わせに来ない彼に愛想をつかしてとぼとぼ歩いていたわたしの前に、昼間の男がにこやかにやってきた。今度はカイロをくれた。
「手がかじかんでちゃ、綺麗な手先が台無しですよ!」
男はそう言ってくるりと華麗なターンで後ろを向き、また駅前に戻っていった。

 帰ったわたしはコーヒーを淹れ、一息ついた。テレビのリモコンを探そうとテーブルの上のチラシをがさがさやっているとコップが倒れ、コーヒーがカーペットにこぼれた。あわてたわたしはズボンの後ろポケットに入っていたティッシュを全部出し、ぺしぺしとカーペットを叩いて吸い込ませた。
「カーペットが汚れてちゃ、小奇麗な部屋が台無しだなあ」
呟いたわたしは、一緒にポケットから出したハンカチもカーペットに当てた。どうせ路上で配っていたものだ、使い捨てでもいいだろう。
 広げたハンカチは、駅ビルのカフェを宣伝していた。
 明日は、美味しいコーヒーでも飲みに行こう。策略にはまった自分を軽く笑い飛ばし、わたしは懲りもせずに二杯目のコーヒーを淹れた。とびきり甘い、ミルクコーヒー。

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