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2004/03/21 (Sun) 古代文明

 太古、そりゃもう気が遠くなるくらいはるか昔の物語。
 森と山に囲まれた、崖の下にある部落。海抜は低く、気圧は高い。そんな場所で暮らしていた古代人は、歴史に名を残すことなくある日突然消えてしまった。その原因は問題ではなくて、きっと自然とともに生きていたであろうことから自然の変化とともに消えていったのだろうが、やはりそんな辺鄙な世界に住むわずかな人の間にも、神話というのは存在した。
 崖の下にあったその世界には、鳥がいなかった。獣や虫はいたけれど、ただ鳥だけがいなかった。だからだろう、人の思いは空へと向かった。見渡せば果てがある世界、その果てとは大きな崖だ。空というのは、見上げてみればわかるけれど遠くに小さく縁取られた崖の上にある何かで、それが何かは疑問にすらならなかった。
 朝になれば崖の中に日が差す。夜になれば崖は真っ暗になるから眠る。そんな生活を続けていた。大雨が振り続いた時は底に水が溜まって、空が少しだけ近づいた。

 その世界の神話は、神や悪魔についてではなかった。
「かつて、空から人が降りてきた。その人はとても美しかった」
というだけのものだった。それは天使の記述だった。彼らにとって天使は、羽の生えた人間ではなくて、空から降りてきて普通に生活をする人間、なのだ。そう、天使は飛ぶのではなく、降りてくる。それが語り継がれてきた神話だった。
 ある日降りてきた人間は、崖の底にいた人々と同じように振る舞い、同じように生活した。そして同じように死んでいったのだろう。けれど、考古学者でパンクロッカーのある男が、今世紀初頭になってこんなことを歌った。

 マピルマチカンの神話は、きっと人間の根底に受け継がれている。見た目には普通の人と同じである天使たちが、今の時代、少しずつ降りてきて普通の暮らしの中でちょっとずつ世界を良くしているのだ、と。

 その歌は、今、少しずつ広がりを見せながら歌われ始めている。もしも自分の隣にいる人が降りてきた人だったとしたら、そんな素敵なことはないだろう? なんてことを呟きあいながら。羽がないからきっと上の世界へは帰れないのだろうけれど、あるいは。
 降りてきたのではなくて、帰ってきたのだとしたら。それはそれで、素敵な神話。

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