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2004/04/03 (Sat) 夜回り探偵

 今や若者はシブヤに集まるだけではない。どこの街でも夜になればそれなりに若者が集まりだし、路上に座り、タバコと缶コーヒーでダベる。意味のない会話だ。意味のないことで笑い合い、希望のない夢を語り合い、カネと異性とセックスの話で盛り上がる。俺はいつもそれを見ては溜め息をつき、そして当たり前のようにその輪に入って「それでそれで?」と話しかける。最初はうぜえよこいつ、と思われていても、適当に笑っていれば乗りのいいやつだと思い込まれて勝手に打ち解けてくれる。そんなとき、彼らはいつも将来の不安について語る。
 その日であった浮浪者みたいな格好の若者は、皆大卒だという。一度は就職したがどうもこれは違うと感じてすぐに辞め、こうしてプータローとなって世間を批判するだけの無為な存在に陥ってしまっていた。彼らはいってみればひきこもりと変わらないのだ。部屋に篭って自分の世界に没頭しているか、街でたむろして自分たちの世界に没頭しているかだけの違いだ。結局は何も変わらない。
 彼らの特徴は、結論を急ぎたがるところだ。
 自分たちの無為な会話は延々と続くのに、俺のような外部の人間に対してはすぐにこう言う。
「で、つまり何がしたいの?」「で、結局何なわけ?」「で、どうすりゃいいのさ?」「で? で?」
 つまり彼らは、自分で考えることを放棄しているのだ。彼らの話が続くのは、ただ答えを求めていないからだ。言ってみれば質問のキャッチボール。「暇だなあ、どうする?」「そうだなあ、どうする?」「つまんねえな」「どうしよっか」「そうだなあ」「ていうかさあ」「とりあえずさあ」「でさあ。でさあ」「で? で?」「つまり、暇ってことだな」「で、どうする?」
 エンドレスだ。きっと彼らは、このような毎日が延々と続いて平和に生きていけると思っているのだろう。それは無理な話なのに。なぜなら、時代が変わるまでもなく、彼らの後には続く者が現れるからだ。彼らよりも歳若い、それでいて彼らと同じような無為な存在たち。後押しされる形で彼らはその『密室』から出なければいけなくなる。押し出されてしまう。
 密室の外は、どんな世界だろう? 俺はいつも考える。だから、より小さな密室内に生きる者たちのコミュニティを探して介入してしまうのだ。そこに、外部からの救いを持って。

 たとえばある日突然、俺の目の前の空間が裂けて「きみを救いに来た」と笑ってくれる救世主が現れたとしても、俺はそいつを信じられないだろう。きっと彼らと同じように。大きな視点で見れば密室内でもがく事がどれほど愚かしいかを知っているはずなのに。
 だから彼らは、社会の真ん中、公衆の面前にある『密室』で死んでいく。群れの中にいても孤独なままで。そうありたくないと思う。だけど誰一人救えない。
 密室連続殺人事件(エンドレス・マーダー・インザ・シールドルーム)は、誰の責任だろう?

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