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2004/07/20 (Tue) 夢

 自分が泣いている夢を見た。
 泣きながら、必死に走り回っていた。

 どこまでも続く下りエスカレーターを駆け下りながら、早くしなきゃと焦っていた。しばらく走っていると前方に幼い兄弟が何やら話して笑っているのが見えた。ええい、くそ! 急いでいるのに何を暢気に喋ってやがるんだこのガキは! …俺は苛立ちながら、その兄弟より3歩後ろに突っ立った。息は切れていなかった。
 すると急に一階の様子が見えてきて、降りるべきタイミングが迫ってきた。しかしエスカレーターには踊り場がなかった。このままではずっと下へ移動してしまう。これではダメだ。そのとき子供たちはひょいと飛び降りて外へ出てしまった。そうかその手があったか! 俺は感心し、ぎりぎりでエスカレーターを飛び降りる。出口は外の明かりで照らされ、明るかった。
 外に出るといきなり大通りだった。振り返ると、俺が今まで走っていた巨大なはずのビルは二階か三階建てのぼろいビルだった。偶然通りかかった若いサラリーマン風の男が、ここは廃墟だったんじゃなかったっけ、と呟く。俺はその男を知っているような気がして話しかけてみた。最初は違うと言っていた男も、幼い兄弟が話していた内容を告げてやると俺を見る目が変わった。兄弟のどちらかは分からないが、その男は兄弟が成長した姿だった。
 人込みの中、歩きながら俺たちは話した。しかし思い出話を語っている暇などないことは分かっていた。ぶしつけですまないが、お金を貸してくれないか。俺は言った。男は断った。俺は男の道を塞いでまで懇願した。少しでいい、少しでいいんだ。
 やがて男は諦めたかのように金を出し、連絡先を教えた。絶対返すからな、と俺は金をしまって走り出す。そのとき、思い出した。忘れていたことさえ不思議なくらいだった。
 そこに見える人たち…俺とは違う方向へ足早に歩いていく人たちは、俺が過去に出会った人たちだったのだ。幼馴染、同級生、ただの知り合い、先輩、後輩、先生、たくさんの知った顔たちだった。たぶん俺は、みんなに話せば僅かながらでも協力の金を得ることができたと思う。けれど、それはできなかった。名前も忘れた男から借り受けたわずかばかりの金が俺の全てだった。ポケットを探って確かめる。一握りの小銭だった。

 そのとき俺が思ったのは、古い漫画の一場面だった。今まで通り過ぎてきた人たち、過去の仲間たち、俺の知った人たち全員が登場するシーンだ。それはクライマックス直前で、全員が協力して1つの思いに突き動かされて最後の戦いに備える場面なのだけれど、今の俺には倒すべき大魔王みたいなのがいないのに、どうして皆が出てきたのだろうという疑問だった。
 しばらく走って、ふと気付く。
 ――戦うべきは、ここにある全てだ、と。
 俺を取り巻く全ての現実と戦わなきゃいけない。小銭しか持っていないとしてもだ。

 そう思ったとき、目が覚めた。夢の中ではぼろぼろ涙を流していた俺だけれど、最近は…というかずっと、めっきり涙なんて流しちゃいないな。
 現実が敵なら、戦わなきゃいけない。夢が醒めた俺も、そう思った。

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