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2001/08/08 (Wed) バツゲェム

 そこは、だだっ広い砂浜のようでもあり、公園のようでもあり、グラウンドや、あるいは芝生のようでもある不思議な場所で、私はときどき、そこに迷い込んでしまう。
 そこには大人も子供も男の人も女の人も年をとった人も体の不自由そうな人も、色んな人が笑顔で話している。以前来たときはキャッチボールのようなことをしていたと思う。
 今日は、皆で積み木をしているようだ。いつのまにか私の手に片手に収まる程度の積み木がひとつ。大きいものから小さいものまで、人それぞれに様々な積み木を持っていて、順番に積んでいく。何かのカタチを作るのではなく、ただ上へ上へと、バランスを取りながら積んでいく。
 そのうち、私は何かを思い出しそうになる。頭痛に耐えられなくなって膝をついていると、黒い服の女の子が私のもとへ近寄ってきた。
「あら、あなたは半分目が覚めてるみたいね」
見た目以上にしっかりと話す子だった。もしかすると大人だったかもしれない。
「目が、覚めてる?」
「そうよ。あなた、そういえば前もここに来たのに参加しなかったのよね」
 女の子にそう言われ、私は思い出した。目の前の彼らがしている遊びは、ただの遊戯ではなくて。
「バツゲェム…」
私がそう呟くと女の子はにっこり笑って歩いていってしまった。
 そう。私は思い出した。彼らはバツゲェムをしているのだ。彼らが、そして私が持っているのは積み木でははく、“罪”。自らの罪悪で出来た“罪木”…ツミキ。そして彼らのしていることは、罪を積んでいくゲーム。以前のキャッチボールでもそうだった。全員の罪を1人になすりつけるための“罰ゲーム”。
 罪と罰。以前、あの女の子は私に言った。“つみほろぼし”には2通りがある、と。1つは、大人しく罰を受けること。それが出来ない人はこうして誰かに罪をなすりつけては逃げていく。もう1つは、自ら受け入れた罪を償うこと。どちらも同じようだが、“罪の意識”が全然違う。
 ああ、もうすぐ目が覚める。私は握り締めた罪をしっかりと認識して、この場所を去ろう。

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