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2001/08/14 (Tue) リーサルウェポンガール

「ライターを買ってくれませんか?」
 雪がちらほらと降ってきた冬の夕暮れ、少女はいつものようにレンガに囲まれた街角でライターを売っていました。しかし一向に売れる気配はありません。道行く人は美しく着飾り、幸せそうに笑いながら通り過ぎていきます。
「この街の人はなんてしみったれなの?1ドルのライターくらい買ってくれてもいいじゃないの。ブルジョワぶりやがって最低だわ!」
 やがて夜になり、人通りもなくなってしまいました。少女はフードに積もった雪を振り払い、かじかむ手でライターを1つ取り出しました。
「そういえば今夜は…」
 風が強くなってきたので、火はなかなか点きません。少女はいらいらしてライターのリミッターを外してしまいました。やっと火が点いたかと思うと、10センチ近い大きな炎になりました。
「ああ、暖かいわ…。この汚らしい街や通り過ぎる人の薄汚れた心よりよっぽど暖かいわ」
少女はわざとらしい嫌味を言いながら目を閉じ、焼きたてのパンや七面鳥の丸焼きやシャンパンやオレンジ色の部屋をイメージしました。
 ライターを手にニヤニヤしている少女のもとへ、街のシェリフがやってきました。
「ちょっと君、こんな時間にこんなところで何をしてるんだね?」
少女はハッとして目を開けました。シェリフはイヤな感じのデブで、ガムをクチャクチャしていました。しかもちょっと酔っていて、左手にはロシア人が持っていそうな小さな酒の瓶が握られていました。目つきが尋常ではありませんでした。
「どうしてこの街はこんなクズばかりなのかしら?もう沢山だわ!」
 少女は酒を奪い、おもむろに瓶でシェリフに殴りかかりました。瓶で頭を殴るとドラマのようにガシャーンと割れ、シェリフは酒まみれで目が点になりました。すかさずライターで火を点けました。マイガーとか言いながらのた打ち回る火達磨を見ていると、少女の中で何かが変わりました。
 そこへ、少女の友人が駆け寄ってきました。少女はうつろな瞳で友人を見ては、小さく呟きました。
「ごめんね、私、こんなんなっちゃった…」
 この街で、一番最後のラブストーリー。あれ?

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