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2005/05/01 (Sun) はじまりの場所

 ここが、僕が僕を始めた原点。
 の、はずだった。
 夕焼けの丘で、通いなれた道を見下ろしながら街並みを眺める…あの頃と同じはずだった。この場に相応しいような、くだらない歌も用意していたはずだった。感動のあまり涙を流してしまうと思ってハンカチを用意していたのに、僕が感じたのは、なんというか、虚しさだった。
 あの頃の僕が歌った歌は、幼すぎる歌詞のせいで安っぽい若者の群像になり果てていた。希望を胸に抱いてなんたらかんたら~…って、今思うと、何を言っていたのか分からなかった。当時、僕を含めこの歌に涙した仲間たちは、どこにあるのかも分からない”希望”をメロディに乗せ、曖昧なままそれを感じていたはずだった。
 今の僕は想像力がなくなったのだろうか? 「いつか必ず夜は明けるさ~」とか「希望を抱いて歩いていこう~」とか、今の僕に言わせれば「ハア?」の一言しか出ないのだ。
 感動したはずの夕暮れのこの場所は、景色は同じはずなのに、何も感じなくなっていた。美しい景色ではあるけれど、それを充分に感じているはずなのに、懐かしい景色を見ながらも僕は「僕が昔好きだった人は今幸せでいてくれているだろうか」なんてことを思って、景色にちっとも集中できない。懐かしむにはまだ早いということだろうか? それとも、当時の心境を思い出すのは僕の心にとって危険なのだろうか。
 自分が成長したことを感じるために帰ってきたのに、あの日とまったく同じ時間、景色、夕日なのに、僕は何も感じることはなかった。思うことは、何度考えても同じ。
 あの頃の僕は、なんて幼かったんだろう。

 どこかにあると思った希望や、いつか明ける夜や、雨がやむ瞬間や、そういうものを何かに例えたくてたまらない時期があった。けれど今は、満員電車の中でそれぞれに別の方向を向いている全然知らない人たちのことを思うだけで、それと同じような希望が胸にじんわりと満ちてくる。僕が関係しない誰かも、僕と同じように日々を生きているんだろう。それぞれの世界で、それぞれに悩んで。
 生きていくこと自体が頑張ること。
 少なくともこの国ではそうだから、生きている全ての人を尊敬できるし、大事にできる。
「もう、この景色も必要ないな」
 僕は数年ぶりに来たこの場所で一言だけつぶやいて、丘を下りた。
 実感は沸かなかったけれど、僕は成長していたのだ。もうすでに、僕はこの場所よりも”先”に進んでいる。たぶんきっと、数年前の僕と同じような年齢の誰かがこの場所で、同じように夕日に感動するだろう。
 行き先の違う仲間よ、数年後、きみはきっと成長しているよ。
 だから今は迷いながらでも進め。
 いつの間にか大人になっちゃってた僕からの、せめてもの言葉だよ。

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