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2005/05/31 (Tue) いのち譲渡法

 少し先の未来のこと。議論され続けていた「いのち譲渡法」がついに可決・施行されることとなった。
 前世紀から続くひきこもり・ニート・不登校・フリーター・鬱者の社会貢献の一環として主に力を発揮するはずだが、すでに議論され尽くした通りに、それ以外の人の利用が圧倒的多数を占めるだろうことは誰にでも予想できた。
 机上の数字だけを見てフリーター問題に取り組もうとした政治家達が見落としたのは、水面下で苦しむ、誰にも打ち明けられない孤独な大人たちだった。
 ”いのち”を他人に譲渡することが法律で許されるのだ。それは、国家が認めた自殺だった。
 自身を無価値と断ずる若者や、あるいは疲れきった大人や、そのどちらでもない”無”を心に抱える大人たちは、まっさきにその法律の恩恵に与った。
「私の”いのち”を他の人にあげてください」
 手続きは簡単だった。
 最寄の病院で献血ならぬ献命をするだけ。書類にサインし、その場でのいくつかの問診に頷くだけ。あとは目を閉じているだけで自らの”いのち”は身体を抜ける。病院で苦しむ患者には高額で”いのち”が売られ、その代わりに確実な回復を望めるという。
 このまま続けば、”いのち”のストックが病院に有り余るだろうことは子供でも分かっていた。
 生きたいと望む人よりも、そうではない人の方が多いということを、法律は証明してしまった。
 その裏で、高額を支払って何人分もの”いのち”を生きる悪党が出ることも当然だった。簡単な風邪にも”いのち”を投与されるようになり、寿命は爆発的に延びていった。でもそれも関係ないだろう。疲れやすい時代だ。最高の癒しもあり、逃げもある。
 疲れたならその”いのち”はさっさと誰かに譲り、リタイヤすればいい。

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