--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2005/06/02 (Thu) ジェットコースター

 僕は今、っていうかいつの間にか、っていうか気が付くと、とんでもないスピードで暴走し続けるジェットコースターに乗っていた。右の席には兄が、左の席には姉が、笑いながら僕を見ていた。
「よぉ! やっと気付いたか? お前はいっつも寝てるからなぁー」
 ガハハと笑って兄が軽く背を叩く。びゅん、と何かが僕の頭の上を通り過ぎた。背を叩かれて伏せてなかったら直撃だった。そこで気付く。僕の前にあるのは…ハンドルだ。ジェットコースターにハンドル? っていうかこれ…
「っていうかこれトロッコじゃねーか!」
 席は3つ。乗ってるのは僕らだけ。レールの先が見えない暴走トロッコ。ハンドルを握るのは僕だ。
「そうよ。あなたが好きに運転すればいいわ」
 姉さんは涼しい顔で僕に微笑み、後ろの方を見た。
「これ…どこに向かってんの? どっち行きゃいいの?」
 ぎょうんぎょうんぎょうん! なんかよく分からないけど凄い音で通り過ぎていく。知ったような景色があった気がしたけれど分からない。気を抜くとすぐに虫や鳥や木の枝が顔面に直撃する!
「ほーら、もうすぐ分岐点だぁ。右か左か真っ直ぐか、どうする?」
 兄はいつも僕を見ない。こちらを見ているようでずっと遠くを見ている目をしていた。
 …迷っているうちに分岐点は過ぎた。トロッコは真っ直ぐ進む。
「あーあ。選択しなかったのかよ。あっちの道も面白そうだけどなぁ」
「何言ってるの。すぐまた次の分岐点よ。ほら、しっかり。大丈夫?」
 優しい姉に背中をさすられ、少し酔いが醒めた気がする。けれど…まだよく分からない。
「教えてやろうか」兄が不敵に笑う。「この道はな、何もしなくても先へ進めるが、それはいつも一番悪い道なんだぜ。ゴールに一番遠い道さ。結果はどうあれ、右か左か真ん中か、自分で選んで進みな」
 よく見ると兄は身を乗り出している。っていうか足をかけてまるでサーフィンのような体勢だ。
「あら、たまには気が会うのね」
 姉さんもいつの間にか安全具を外して席の上に座っている。相変わらず後ろを見たまま。美しすぎる髪が暴走でなびく。

「自分で選択した道…」
 僕、トゥデイマンはいつも迷う。優しい姉、ミス・イエスタデイと奔放な兄、ミスタートゥモローを乗せてトロッコは果てしなく暴走していく。途中、他のトロッコが見えた。道の真ん中で大破しているのもあれば、歌いながら進んでいるのもあったし、とろとろ進みながら、それでも選択できないようなのもいた。
 道は続いていく。選ばなくても、先へ進んでしまう。僕らの旅はつまり。

スポンサーサイト

読みきり | trackback(0) | comment(0) |


<<あいこちゃん | TOP | いのち譲渡法>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://sweetstorylatte.blog35.fc2.com/tb.php/284-062d3291

| TOP |

プロフィール

ryow

Author:ryow

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。