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2001/07/03 (Tue) 夢追い人~1

 少年は高校を卒業してから3ヶ月、何もせずに過ごした。漫画を読みゲームをし、寝たいときに寝て食べたいときに食べた。しかし、死にたいときには死ねなかった。
 大学に入ること、そのための努力に疑問を感じ始め、少年はいつしか勉強をやめた。そして少年が19歳になった夏のある日、両親は少年にアルバイトをするように勧めた。少年は仕方なくアルバイトを探し、2駅先にある古本屋で働くようになった。この頃、少年はインターネットを始めた。バイトとインターネットの日々。少年の興味は尽きることがなかった。その点で少年は幸せだった。
 バイト代は本に消えた。いつのまにか漫画よりも小説を読むようになっていた少年は、3日に1冊のペースで小説を読み漁った。読んだ小説のタイトルと感想を大学ノートに記した。やがて少年は町の図書館に通うようになった。バイトとインターネットと図書館。それだけが少年の世界だった。
 そして少年が22歳になったある日、約3年間で読んだ本は600冊を超えた。そのときには、小説だけではなく、あらゆるジャンルの本を読むようになっていた。勉強はしなかったが、知識だけはそこらの大学生にも負けないと思っていた。

 同級生が就職活動に明け暮れているとき、彼は小説を書き始めた。最初は思ったことをただ書き綴っただけのつたないものだった。やがて、頭に浮かんだ場面場面をメモのように書き溜め、ついに一本の作品を仕上げた。
 彼はその作品を賞に応募した。しかし、結果はあっけなく一次落選。その報を知ったとき、彼は小説を書くことを諦め、同時に家を出た。22歳の冬だった。

 彼は生まれた町から逃げ出すような思いで、遠く東京へ来ていた。一からやり直そう、そう決意して、小さなパン屋で住み込みのバイトを始めた。それから半年、パン屋の主人が安いアパートを見つけてくれた。彼はそこで一人暮らしを始めた。
 東京へ来て1年、彼はパン屋をやめた。主人は彼を責めるどころか、今までよく頑張ってくれたと言い、これからも多少は面倒を見てやるとまで言ってくれた。

 初体験は風俗だった。24でやっと世間を知った彼は、カネを使うことを覚えた。カネを使えば、世間は彼を見てくれた。日雇いのアルバイトを繰り返す日々の中で、彼は自分の生活に疑問を感じ始めた。
 始めて出来た彼女は、ある宗教にハマっていた。彼は仕方なくセミナーを受け、そして、ハマった。世間から隔離された修行場で、彼は幹部になるべく苦行を続けた。

 彼が29歳のとき、その宗教の代表が捕まった。修行仲間はバラバラになった。実家に帰ると言っていた者が大半だった。彼は東京へ行き、ホームレス生活を始めた。
 風俗の看板持ちのバイトをしては金を得て、いつしか這い上がろうと決めた。しかし、カネはいつのまにか消えていった。そんな中で30の誕生日を迎えた夏の日、彼は少ない給料で原稿用紙とペンを買った。驚くほど字が下手になっていたことに涙が止まらなかった。

 宗教時代とホームレスになってからの彼の身上を生々しく書いた作品「ストレスレスホームレス」はヒットし、半年後、なんとかホームレス生活を脱することが出来た。それからすぐに、彼は元信者仲間に刺された。

続く(と思ったけどやっぱ続かない。続けない。)

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