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2005/10/23 (Sun) アルファブロガー フォーエバー(2)

 部屋のものはすべて処分した。パソコンも含めて。
 それまでつけていた日記をすべてフリーサーバのブログに移してから、僕はもう、やることがなくなった。ついに全部やり終えた、という達成感が残った。それは清々しい感じではなくて、何と言うか、ガーリックのポテチを食べて眠った翌朝のような、吐き出しそうな気持ち悪さだった。もう戻れない、という一言が僕の頭の中を巡る。
「それでいいの? ほんとによかったの?」
 頭の中の女神が心配そうに僕に尋ねる。おいおい、っていうかオマエだろ。朝晩は人に死ね死ねって言うくせにさ。昼間だけ綺麗な顔で、透き通る声で、僕に優しくするんだ。もうちょっと頑張りなよ、生きてみなよ、私が見てるから、ぐらいのことをのたまうくせにさ。
「いいんだよ」
 言い訳は既に用意してあった。
 遠い昔に読んだ御話の影響だろうか。
 僕は、自身がまさに今”そこ”に辿り着いたのを感じていた。

 ――全ての御話の行方。
 それはまさに涅槃だ。何と言うか、そう、「先に行って待ってるから」という清々しさは、ちょっとだけあった。

 僕が最後にしたことは、身辺整理じゃない。もちろん、不用品は全て処分した。売れるものは売り、粗大ゴミは引き取ってもらった。でもそれ以上に重要なことがあった。
 ブログだ。
 僕はブログを書かずして生きていけなかった。暇つぶしではなく、アイデンティティでもなく、趣味なんかじゃない。ブログは僕そのものだった。僕がブログだったのだ。コメントがつくわけではない。ネット上で誰かと仲良くなるわけでもない。ただ、僕にとってブログは、いつからだろう、全てだった。
 だから最後の決意を固めてからは、それまでつけていた有料サーバの日記ログを全てフリーサーバにエクスポートした。有料サーバの日記は、僕が料金の支払いをやめればサービスが止まり、アカウントを消されるだろう。それは僕の死を、いや、それ以上に残酷なことを意味するのだ。
 その代わり、有力なフリーサーバにログを残せれば、意味は逆転する。
 僕はつまり永遠になるのだ。
 更新しなくなってから、5年ほどでいい。10年も残れば最高だ。ブログをつけなくなった僕は、”リアル”からも”ネット”からも存在を消す。それは僕の全てが消えるのと同義だ。けれど、ブログのログは残る。僕が残した過去のエントリーは、少なくともサーバがある限り残ってくれる。そして、いつか誰かが見つけて、興味本位に読むかもしれない。そこには僕はいなくて、ただ文字列があるだけだ。けれど、僕が生きた証と、僕が生きた意味と、僕の魂の全てがそこにはあるのだ。

 僕の肉体は滅び、書くということをやめても、言い換えれば、僕の心臓が止まっても、脳が停止しても、魂が残るのだ。
 僕はこの先、”誰か”の中で生きていける。ブログに僕を綴ることで生きていけるのだ。そう思えば何も怖くはない。これは死ではない。再生でもない。終わりでも闇でも気が狂っているのでもない。
 僕は、永遠になる。
 僕は、永遠に生きる。


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