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2001/08/30 (Thu) バツゲェム2

 また迷い込んでしまったようだ。今日の私はなぜか妙に冷静で、ここが広い川原であることに気付いた。側を流れる川は美しく、水は凍るように冷たくて、それでもなぜか魚が泳いでいるという不思議な川だった。
 今日はあの女の子はいないようだった。集った人たちは、今日は川原の石を積んでいた。こんな光景をどこかで見たような気がした。ひとつ積んでは…ふたつ積んでは…それは誰のため?恐らく、ここでは、全てが自分のためなのだった。
 気がつくと私も石をひとつ手にして順番に並んでいた。携帯を畳んだようなサイズの、ツルツルでなめらかな石だった。石を上手く積めた人は憑き物が落ちたような爽やかなイイ笑顔で川とは反対側に走っていった。
 …あと3人で私の番だ。石はもうギリギリまで積まれている。もし、石を積めずに、これを崩してしまったら…一体どうなってしまうんだろう。そう思うと滝のように汗が流れた。しかし鼓動は怖いくらい静かで。私の体が私のものじゃなくなってしまったかのようで。
 私の2人前の中年男性で、積み石は崩れてしまった。その人は大声で叫んで、川の方へ走っていった。ざぶざぶ。ざぶざぶ。川は意外と深いらしく、すぐにその人の頭も見えなくなった。私の前に並んでいた、いい人そうな老人が呟いた。
「助かった…」
 私は難なく石を積み、老人と一緒に川の向こうへ歩いた。しばらく進むと、花畑が広がっていて、その手前に長い髪の少女が立っていた。髪に隠れて目は見えなかったが、口はにっこり笑っているようだった。
「また来てね」
 その声を聞いて、私達は花畑の中へ進んだ。

 目が覚めると、まるで水をかぶったかのように汗をかいていて、手には一本のコスモスが握られていた。最近、あの夢を見ることが多い。以前より周期が早まっているようだった。もし石を崩してしまったら。そう思うとやたら喉が渇いた。心臓は激しく打っていた。

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