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2006/01/20 (Fri) 存在

小学校の頃、いじめに耐えかねて首をくくった子がいた。
5年生くらいだったか。よく思い出せない。特に親しかったわけでもなかったし、名前も顔も、今じゃ分からない。声なんてとてもとても。まともに話したことさえなかったような、クラスの「おともだち」だった。

その子がいなくなって、その子の机には花が飾られるようになった。花当番というのがいつのまにかできてて、みんな日替わりで水を換えたり花を換えたりしていた。いじめっ子も、その花にはイタズラすることもなく、日々の慣習として、続けていた。

6年生になってクラス替えがあって、夏休みの少し前くらいになって僕は思い出した。
そうだ、あの子の席がない。
他のクラスに行って名簿を見ても、どこにも載っていない。
あの子の席は、なかった。
僕はそのときにはもう顔も声も曖昧になっていたけれど、「その子がいない」という事実に怖くなった。子供心に、これはよくないんじゃないか、なんて思った。

卒業アルバムには、なぜかその子の写真があった。何度も確かめても入っていなかった1組に、その子はいた。いや、いない。入れるところがなかったから入れたのだ。そうに決まっていた。
卒業式の次の日、僕は先生に会いに行って、思っていたことを打ち明けた。
先生は「あの子はいなくなったんじゃなくて、あの子がいないということが”ある”ようになったんだよ」みたいなことを言った。

「そんなの誤魔化しだ!」僕は半べそで叫んで、その場を後にした。悔しかった、のだと思う。けれど、今思うと、それがなぜだろう、よく分からないのだ。
先生の言ったことの方が、なぜか、今の僕にはすんなり受け入れられてしまうのだ。

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