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2007/01/16 (Tue) 鳥かご

2年飼ったインコちゃんを、放してあげようと思った。

足の悪い私と同じで、いつも空を見て、チクチク鳴いていた私の友達。
「あなたは自由よ」

窓を開け、鳥かごの柵を取り去る。インコちゃんはチクチク言いながら窓際まで来るが、そこで鳴いているだけだ。
30分待っても、そこにいるだけだ。

「どうして? ほら、飛んで」
無理やりに手に掴み、インコちゃんを外に投げ捨てた。
不恰好ながらも飛ぶことを覚えていたようで、力強く羽ばたいた。

「やっと自由になれたね。私はいいから。今まで遊んでもらってありがとうね」
…って言う前に、インコちゃんは真っ直ぐに鳥かごに戻ってしまった。

窓が空いていて柵もないのに、自由になろうとは、しなかった。
そのくせ、やけに私を見る。
チクチク鳴かずに、私を見る。


「おまえもそうなんだろ? 飛べるのに、飛ばないんだろう?」
インコちゃんがそう言った気がした。

違うの。私は歩けないの。足が悪くて、ここから外に出たことがないの。
外の世界は怖いから、治りたいとも思わない。ここにずっといて、楽しく暮らせればいいって思ってるだけなの。


私は。歩けないの。



「飛ぶのは、本当は怖いよ」
インコちゃんはそう言って、私の手をくちばしで突っついた。
「僕は飛ばないよ。きみがいるから」

インコちゃんが喋っている。夢か現実かは分からないけれど。
「違うの。私が、あなたに飛んでほしいの。自由になってほしいの」

「僕は飛ばないよ。きみとここにいてあげるから」


私は。歩けないの。
歩けないの。

あなたは自由だけど、私は。自由じゃ。ないの。


「ホントニ?」
インコちゃんはそう言って、今までに見たことのない力強い羽ばたきで、真っ直ぐに飛んでいった。
もう、戻っては来ない。私には分かっていた。

私は歩けないの。外の世界にも行きたくないの。自由じゃないの。あなたみたいに、普通じゃないの。

「…ホントニ?」

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