--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2001/10/20 (Sat) Stop! in the name of text

 この国から飛行機でほんの数時間のところに、世界中のどの国からも脅威とされている社会主義戦闘国家があります。民衆は飢餓と貧困に苦しみながらも独裁者(表向きは国の代表者)のために生きるようにコントロールされ、なけなしの食料や金品を軍部に差し出すことを至上の喜びとしています。
 物価はこの国より遥かに低く、ブランドどころか家電製品すらろくに売っていないその国に、実は毎年たくさんの観光客が行っていることを、ご存知ですか?
 僕はつい最近、久しぶりに、そう、子供の頃、親に連れて行ってもらって以来ですが、1人でその国へ行ってきました。税関のチェックは数時間かかります。持ち物は全て監査機関に提出しなければいけません。その国にいる間は、独裁者の顔が描かれたバッヂを胸に付けてないと射殺されます。
 そんな危険極まる国ですが、唯一の観光スポットがあるのです。あらゆる報道、カメラ、録音装置、クチコミでさえ禁止された観光スポット。まさに知る人ぞ知るところです。その名も、「しあわせ動物園」。ただの動物園じゃないことは想像できると思いますが、何がいると思いますか?
 あ、行く方法はたった一つ。午前3時に空港に着くバスに乗ること。そのバスの終点で次の日の午前3時まで待つこと。そうすると、その動物園行きのバスが来ます。ちなみに、バス代は片道分でこの国を往復できる飛行機代と同じくらいです。
 あそこへ行った人は皆、“生きていてよかった。平和でよかった”と思えるのです。だって、扱ってるのは人間なのですから。しかも、亜細亜人だけじゃないんですよ。ワールドワイドな顔ぶれの人間たちが、人工の自然の中で裸で生活しているのです。広い広い自然の中で。ドーム何十杯分もの広さです。人間の姿をした動物たちの、自然な生活。それはまるで原始時代そのものです。そして、人間の欲望そのもの。奪い合い殺し合い与え合い愛し合い、それでも共同で生きていく姿に、僕ら見物人は、心底自分の幸せを感じられるんです。
 そして…本当は書いちゃ駄目なことなんですけど敢えて書きます。バレたら僕も動物園行きでしょうか。それとも即、射殺?…その奪い殺すという点において、その国は、その動物園で、それを、実践してみせるんです。軍人が入ってきて、適当な女性を見つけては、犯して殺すんです。なぶるように。なぶるように。笑いながら。助けを請うその人を、僕らは防弾ガラスの向こうで、ただ、見てるしかないんです。その目が、忘れられないんです。
 水族館ならイルカのショーがあるように、ここでは欲望のショーがあるんです。それを高みから見物する僕らも、最低だと思いました。胸に付けたバッヂと同じように、くそったれだと思いました。しかし、そのターゲットが自分ではないというだけで、僕らは、言葉に出来ない“生への幸福”を感じられるんです。死を前にしないと感じられないなんて、現代人は危機感が足りないのでしょうか。
 あの、僕は、最低ですか?お金を払ってまで殺人劇を見に行く僕は。
 その国は狂ってるんです。その国にいる人は全員コントロールされて狂ってしまうんです。今、その国についてニュースが騒いでますけど、そんなことはちっぽけなことでしかないんだと、きっと、わかるはずです。
 だけど、文化を持たない動物生活をしてる人間たちの姿を、僕は、見てしまったんです。そのショーで殺された女の人を土に埋め、花を添えた人間たちを。そのとき、僕は、声を上げて泣いてしまいました。僕とこの人たちは、何が違ったんだろう。生きること、死ぬこと、何が大切で、何が無意味なのか。
 僕の持つ揺るぎない“生きる意志”は、誰にも折ることなんてできません。最低でも、くそったれでも、僕は生きるんだと、誰にともなく誓ったんです。もしも、生きることについて、自分の人生について、それが淀み濁ってると思うのなら、あの動物園へ行くことをお勧めします。
 だから僕は今日も、生きている証を文書にするんです。

スポンサーサイト

読みきり | trackback(0) | comment(0) |


<<over the textsite | TOP | garden>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://sweetstorylatte.blog35.fc2.com/tb.php/53-9d1b242f

| TOP |

プロフィール

Author:ryow

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。