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2001/10/22 (Mon) コトバトル

 深夜のファミレス。俺と悪友は、とりあえず腹を満たしてからドリンクバーで繋ぎつつ、ターゲットを待った。午前3時。客は少ないが、寝ている男、勉強をしている学生風の男、見ている方をイラつかせようとしてるとしか思えないカップル。しきりにケイタイを弄る女。無言で下を向いている男女、などなど、実に様々だ。
 店にカップルが入って来た。金髪の女とチャラい男だ。俺たちはギラリと目を光らせ、にらみ合う。
「開戦だ」
「よし。タブーを決めろ」
「俺は…『私とナントカ、どっちが大事なの!?』だ」
「じゃあ俺は…『お前だって浮気してんだろ!』だ」
「く…っ、なかなか鋭いところをつくな」
「よし…。黙って勝負と行こうぜ」

~カップルの会話~
「ねぇ…」
「あん?」
「アタシさぁ、実はアンタのケイタイ見ちゃったんだけどさぁ」
「なんだよ。(店員さんを呼んで)あ、ドリンクバーふたつね」
「ちょっと聞いてんの!?」
「(わざとらしい仕草でタバコに火を点け)ああ、聞いてるよ(煙を吐き出す)」
「あんた、浮気してるでしょ」
「してねぇよ」
 これは俺達のゲーム。会話の中に“タブー”を決め、自分の用意したタブーが出たら食事代を相手に払わせるというゲームだ。しかし、今回は…、まさかいきなり修羅場とは。面白くなってきやがった…
「(女、ジャラジャラとストラップを弄りながら)ちゃんと聞いてよ」
「聞いてますー」
「じゃあ、これは何よ!(自分のケイタイから、とある番号を見せる)」
「なんだそれ」
「ケイコって誰よ」
「知らねぇよ。俺じゃねぇよ」
「あんたのケイタイに入ってたんじゃん!何考えてんの!?」
「知らねぇってば(アイスコーヒーを一気に4分の3程度飲む)」
「それに、これと、これと、これ!アンタ、何なの!?」
「(男、顔が赤くなってくる。ニヤリと笑い、ドリンクバーコーナーへ行く)」
「ちょっと待てよ!(ケイタイをテーブルに叩きつける。プラスチックの花みたいなのが俺たちのところまで飛んできた)」
 男は飲み物を選ぶのに時間をかけている。俺たちは楽しみながらも「あーあ」とか思っていた。それから数分後、奴らはまた席に着いた。
「(女、足を組んで)…で?」
「(男、テーブルに額をつけるように)ゴメン!」
「ゴメンで済むと思ってんの?」
「ゴメン!」
「じゃあこのメモリ消してよ。ここで」
「…はい(男、ケイタイを操作)」
「もうしないって誓って」
「…もうしません」
「ふうん。当然だけど、奢りよね」
「…はい」
「あと、ちょっと欲しいものがあるんだけどさ」
「(男、頭を下げたまま顔を上げ)…ていうかよぉ…」
「はい?」
「お前だって浮気してんじゃねーか!」

 カンカンカン…
 試合終了だ。あのカップルの勝敗などどうでもいい。とりあえず、今夜は俺の勝利だ。これ以上ないくらいに虚しい勝利だ。しかし、俺たちはこの戦いをやめないだろう。朝日がまぶしすぎて、惨めな俺たちを馬鹿にしているかのようだ。

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