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2001/10/27 (Sat) 馬鹿げた話には乗らない

 男が、彼女の肩を抱く。ニヤニヤと、笑って。僕はただ、何も言えずに立ち尽くす。彼女は少し困った顔で。息が止まるくらい冷たい視線と、変な微笑みを僕に向ける。
「嘘だと言ってくれ」
何を期待したんだろう。落ち着いていると思っていた僕は、今思えば馬鹿みたいにパニックになっていて。平行線を辿る言葉の果てに、そう呟いた。
「嘘よ。全部嘘。あなたといた時間以外全部」
 全部、嘘。何度も囁いた言葉も、永遠を誓った朝も、虚ろな心も。そう、彼女は言った。ゆっくりと男が近づいてきて、ケイタイを取り出す。
「リアル教えてやるよ」
 声を出そうとしても喉の奥に重い何かが引っかかってる感じがして。
「事実は小説より奇なんだって。よく言ってたじゃない。その通りだったのかもね。悪い人じゃなかったけど、なんか、違うんだよねー」
悪びれた様子もなく彼女は笑い、僕と男を残して歩き出す。
「(てかお前、キャラ違くないか…?)」
 言葉を飲み込む僕に見せ付けるように、男のケイタイの画面にはいくつかの写真が。
「見ろよ」
 目を背けたかった。事実から。現実から。
「心なんていらねぇんだよ」
 どうすればいいか分からなかった。
「女なんてこんなモンだぜ。お前だって顔いいんだから、理想ばっか言ってねぇでリアル見ろよ。どうよ。これがアイツの望んだことだ」
「うそだ」
「嘘じゃねぇ」
「うそだろ」
「嘘じゃねぇ」
「う…」
不覚にも、涙が出た。
「リアルなんてこんなもんだ。要はやったもん勝ちなんだよ」
 なんで僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
「愛なんてねぇんだよ」
 写真に写る彼女は。ベッドで僕に見せた表情とは違くて。
「アイツ、エロいからなぁ~」
 男はケラケラと笑い、ケイタイをポケットにしまって歩き出す。ブン殴りたかった。でも、この男を、あなたが認めたのなら、僕にこいつを殴る権利なんてないと思って。だけど。
「…待てよ」
 そして僕は、男の肩を掴む。全部、嘘。ただそれだけが僕の頭の中を埋め尽くしていく。全部嘘。騙された方が悪い。僕が、悪い。こんなときにもサイトのことを考えてしまう自分がとてつもなく嫌になって。
 僕はただ、幸せを望んだだけだった。ハッピーエンドを書くんだ。そう思って今日もお話を綴ってく。それ以上の意味をもたせないように注意しながら。

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