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2001/12/01 (Sat) キングオブサバンナ

 サバンナで、子猫がないていました。そこにハイエナたちが通りがかりました。群れの中のたくましいハイエナはこう言いました。
「丁度いい。あれを食べて軽く腹を満たそうか」
メスのハイエナはこう言いました。
「可哀想よ。でも私たちの子供じゃない。このまま放っておきましょう」
若いハイエナはこう言いました。
「いや。可愛いじゃないか。連れて行こうよ」
たくましいハイエナはこう言いました。
「あんな子猫、成長しても俺のように強くはなれない。ならば俺の血肉とした方がいいだろう。何だ。俺の意見に不満なのか?」
 今まで、ハイエナたちは言い争いになったことはありませんでした。しかし、今回はなぜかリーダー格のたくましいハイエナの意見に賛成する者はいません。メスのハイエナはたくましいハイエナを睨み付けました。
「しかたない。だが、俺はそいつを守ってやらんぞ。メシの食い方一つも教えてはやらん」
 そうして、ハイエナの群れに、一匹の子猫が加わりました。

 いつものように群れで行動し、たくましいハイエナの指示で獲物を狙い、糧とします。子猫はその姿を見ながらも、肉をわけてもらうことはありませんでした。メスのハイエナや若いハイエナは肉を小さく切って与えましたが、食べようとしません。子猫は自分の顎で、骨に残った小さな肉の切れ端をちぎって食べました。たくましいハイエナはその姿を見ても何も言いませんでした。

 それから少し、時が経ちました。子猫も成長し、若いハイエナと同じくらいの体つきになりました。たくましかったハイエナは若いハイエナにリーダーの椅子を譲り、獲物を自分でとりに行くことも少なくなりました。群れの中の一匹として、その日とれた獲物を皆と同じように食べます。
 そんなある日、ライオンが群れを襲いました。せっかく獲った獲物を横取りに来たのです。若いハイエナたちは逃げ出しました。メスのハイエナは傷を負いました。ライオンは獲物を食うだけでは飽き足らず、たくましかったハイエナを狙いました。本来は無駄な殺し合いなどしないはずのライオンがこのときは、たくましかったハイエナに牙をむいて襲い掛かりました。
 そこへ、たくましく成長した猫がやってきました。たくましかったハイエナは、逃げることも出来ないほど消耗しています。たくましい猫はライオンと激しく格闘し、なんとか追い払うことができました。
 たくましかったハイエナは、もう動けません。群れの皆に囲まれ、静かに目を閉じていきました。そして最後に一言だけ、つぶやきました。
「強くなったな。もう、安心だ」
 そしてそのまま、目を開けることはありませんでした。

 たくましい猫は雄たけびを上げました。何度も何度も、声が枯れるまで、雄たけびをあげました。次第にサバンナの動物たちが集まってきました。ハイエナの群れを囲むように、沢山の動物がやってきます。
 たくましい猫は自分のたてがみを少しだけ千切り、たくましかったハイエナの横にそっと置きました。そして最後に一度だけ大きく雄たけびを上げると、何も言わず振り返らずに歩き始めました。ハイエナたちは無言でうなずき、彼についていきました。
 サバンナの沢山の動物たちもまた無言でうなずき、顔を見合わせ、そして彼の後に続きました。ハイエナも、シマウマも、ゾウも、ヌーも、鳥たちも、ライオンも。やがて動物たちは彼を「百獣の王」と呼ぶようになりました。
 サバンナは今日も晴れ渡っていました。

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