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2001/12/11 (Tue) FLY AWAY(2)

 天寿をまっとうした私は、光の国で、一つの穏やかな光に会いました。光は自分を神の使いだと仰いました。仏教を信ずる私でしたが、とりあえず、話を聞くことにしました。
 この光の国のこと、これより先にある天国のこと、そして地獄のことを聞きました。ひとしきり話が終わったところで、天国へ行こうとしている私を止め、光は言いました。
「お前を待っている人がいる。今一度、現世を見てくるのだ」

 若者の街、渋谷。その駅前にあるハチ公像の前では、沢山の人たちが待ち合わせをしています。それと同じように、霊となった人たちも、ハチ公前でずっとずっと待ちぼうけしているのでした。行き場をなくした霊たちが集う、待ち合わせの場所…。私は街のことは知りませんが、生きている人よりもずっと多い霊を目の当たりにして、驚愕してしまいました。
 しかし、彼らは悪さをするでもなく、ただ、約束を果たさんがため、今一度誰かに会いたいがために、ずっとずっとここにいるのでした。

 私を待っていたのは、若い娘さんでした。齢七十六の私は、一見しては誰だか解りませんでした。しかし、娘さんは私を見つけると、ふわふわと近づいてくるのです。
「やっと、会えましたね…」
 その言葉で私も理解しました。彼女は私が五十年以上も前に言った言葉を、ずっと守り通していたのでした。私はすっかり忘れていました。

きっと迎えに来ます。それまで、お元気で。

 気付くと私も彼女と同じように若い頃の体になっていました。魂の状態ですから、見た目は自在に変えられるのだそうです。しかし、現世には私の家族や、孫たちもいます。彼女には申し訳ありませんが、彼女を選ぶわけにはいかないのです。
 彼女は私の手をとって、微笑みました。
「一緒に行きましょう。そして、今度、また、私に会いにきてくださいね」

 私は彼女と一緒に、空へ上りました。次の命を願いながら。

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