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2001/12/13 (Thu) FLY AWAY(3)

 気付けば、俺はガラクタの中に立ち尽くしていた。
 なんだか体が軽い。ふわふわ、ふわふわ。どこまでも空へ上っていけそうだ。
 ところで俺は、何だ?どうしてここにいるんだ?

 雨の日も、風の日も、晴れた日も。春も夏も秋も冬も。朝も昼も夜も、俺はそこに立ち尽くしていた。そこへ運び込まれる、沢山のガラクタを眺めながら。
 どれくらいの時が経ったかはわからない。しかしそんなことは関係なかった。気がつくと、俺と同じようにふわふわしながら立ち尽くしているガラクタたちが、そこにいた。
「よう。おまえら、おまえらは一体、ナンなんだよ」
ガラクタは何も答えずにふわふわしていた。

 また時が経った。俺達はいつしか仲良くなって、毎夜くだらない話をしていた。俺達に残るわずかな記憶を語り合いながら、運ばれてくる次の仲間達を待った。
 車。冷蔵庫。テレビ。ラジオ。たんす。鏡。ハサミや鉛筆や、空き缶や、その他もろもろの、使われなくなったガラクタたち。皆、自慢できるものなど何もなかった。存在していたときは、何も思わなかった。

「なあ、そろそろ上へ行かねぇか?」
「まだ早いだろ。いつでも行けるんだ。もうちょっと後にしょうぜ」
「そうよう。時間はたっぷりあるんだから。それに、新しい仲間の姿を見るのって楽しくない?」
「人間の文明が変わってく様を、こうして間近に見てるんだもんな」
「なぁ、アレ見ろよ。あれってさ、電話なんだってよ。あの小っちゃいの」
「ええ!?俺と同じ、電話なのかよ!あのチビ!」
「アハハハハ…」

 ここには病気も学校も試験も何もない。ただ、仲間と語り合う、無限のような時間があるだけだ。上へ行くのもいいが、ここにいるのも、悪くない。

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