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2001/12/20 (Thu) FLY AWAY(5)

 彼女は、僕の月命日になるたびに、あの交差点に花を持ってきてくれる。僕はそのたびに、また彼女のことを愛しく思って、上へ行くのをためらってしまう。ずっと一緒に、いたかった。

 彼女は気付いていないだろうけど、僕は彼女を守っている。僕のことを思ってくれることが、僕の力になるんだ。魂はその辺が便利だ。思いや願いがそのまま力になる。だからその力を使って、彼女がチンピラに絡まれたり上司に怒られたりするたびに、僕は彼らを少しだけ不幸にしてやるんだ。

 だけど僕が死んでから、もうすぐ3年になる。当時、僕らは学生だった。でも彼女は年を重ねて、OLになって、仕事をしてる。僕はずっとTシャツ、ジーパンのままで彼女の周りをふわふわしてるだけだ。もっと何か、彼女のためにしてあげたいのに。お前は間違っていると、あの優しい光に言われた。現世に関わることは意味がない、と。

 彼女に、新しい彼氏が出来た。僕が死んでからずっと一人だったのに。実はその男のこともチェック済みだ。彼女に群がるハエかと思ってたけど、どうやらそうじゃないらしい。あいつの生活をのぞき見ていると、あいつが誠実でイイ奴だってことがわかった。
 でも、嫉妬してしまうんだ。だって、僕はまだ彼女が好きなんだ。

 そして僕の3回目の命日。彼女は僕の墓参りに来てくれた。あの彼氏も、一緒に。
「私、やっとあなたのこと忘れられそう。ごめんなさい。でも、ありがとう…。私、幸せになりますから」
 礼服の彼女は妙に大人っぽくて。この3年、ずっと一緒にいたつもりだったけど、やっぱり…もう、違うのかな。僕らはもう終わってて、それぞれに先に進むしかないのかな。彼女が望む道を止める権利は、僕にはない。ないんだ。
「僕は、真剣にこの人のことが好きです。絶対にこの人を泣かせたりはしませんから」
なぜか彼氏まで僕の墓の前で手を合わせてくれている。やっぱこの人、いい人かも。

 僕はそれから、彼女のことを執拗に追ったりはしなくなった。だけどもうちょっとだけ、現世に残っていようと思う。あの二人の幸せを願うから。

 守護霊だって、楽じゃない。

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